事実は小説よりも奇なりというけれど、事実に比肩するものとて存在します

 ノンフィクションの体を取った物語で、あらすじから後書きまで徹底している事に引き込まれました。

 山村で起こった悲劇、それにまつわる都市伝説的な不気味さを伴った噂、それを調査するライター…。

 モキュメンタリーの定番だと感じました。

 トレメル村はどういう場所にあり、どういう季節だったか、そこに暮らすのは、どんな人たちだったか。

 村を襲ったものは?

 本当の悲劇と呼ぶべきものは、果たして何だったか。

 淡々とした文面が、本当に新書のノンフィクションを思わせます。

 何もかもに、作者の拘りが感じられ、妥協など一切ない傑作、自信を持っていえます。

 お薦めします。

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