ノンフィクションの体を取った物語で、あらすじから後書きまで徹底している事に引き込まれました。
山村で起こった悲劇、それにまつわる都市伝説的な不気味さを伴った噂、それを調査するライター…。
モキュメンタリーの定番だと感じました。
トレメル村はどういう場所にあり、どういう季節だったか、そこに暮らすのは、どんな人たちだったか。
村を襲ったものは?
本当の悲劇と呼ぶべきものは、果たして何だったか。
淡々とした文面が、本当に新書のノンフィクションを思わせます。
何もかもに、作者の拘りが感じられ、妥協など一切ない傑作、自信を持っていえます。
お薦めします。
70年以上前に、38名もの犠牲者を出した、トレメル村の惨劇。
生存者へのインタビューや新資料を交えて、著者が綴る一つの真相。
この作品を読了後、どうしても『羆嵐』を読みたくなって、
書店に買いに走ったんですよ。
(大正時代に羆が北海道の村を襲った事件のドキュメンタリー)
読み終えてから、このレビューを書いています。
どうしようもない自然を前に、人が立ち向かうのは難しい。
トレメル村とは、どういう環境で、どういう人々が住んでいたのか。
発端から惨劇に至るまでの過程は淡々と描かれ、
災厄の夜も筆致は淡々としていますが、ホラーの如く恐ろしい。
村が消滅した原因は意外で。
そして、最後のあっと驚く新事実はミステリーのよう!
めちゃくちゃ面白かったです。オススメです。