一雫の光 - マニ教創始者の物語 前編

３世紀。卑弥呼が日本を支配し、中国では魏呉蜀が中国を統べるべく争っていた時代。その遥か西に位置する世界――強大なローマ帝国と向かい合うササン朝ペルシア帝国のはずれ、宗教団体〈白装束〉の村で過ごしていた少年マニは、ある日、別の村で一人の少女と出会う。共に読書家だった二人は意気投合し密会を繰り返すが、そこで〈科学〉を知ったマニは、この世界が宗教観念によって歪められたニセモノの世界だと気付く――


なぜその〝邪教〟は世界各地へと広がったのか？　歪曲された言葉が伝承され、そして消滅した古代世界宗教〈マニ教〉の創始者、天才マニの生涯を奇跡・オカルトなしで描く歴史小説。


＊登場人物＊
マニ：マニ教の創始者にして預言者。
エウラリア：アリストテレスの書を持つ謎の少女。
アフサ：マニの友人。無神論者。…続きを読む