悲しみは静かにきしむ

ヒロインのきしむような悲しみが、喧伝しなくとも、重い靄のようにのしかかり染みてくる。
悲しいことはもうないよ、って旅立たせてあげたくなり、彼女を引き止めるものの軽さにまた悲しくなる。
彼女の門出は、夜明けではなく、ほっとする白夜のような。
切ない物語でした。

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