悪魔には契約よりも賭けを持ち掛けろ

高度3万フィートの機内で悪魔と名乗る男と乗り合わせたことのある方には周知のごとく、これはなかなか頭の痛い事態である。

その上、テロリストも同乗しているとなると、これまた悪夢めいたシチュエーション……というか悪夢そのものだと疑ったほうがよい。

悪魔を自称する男がイカれた狂人なのも恐ろしい。もちろん本物ならなおさらに具合がよくない。トイレのタンクには麻薬もあるというのもスパイシーだ。

が、同じ機内でなく、文字というインターフェイスの外側から状況を眺めている僕たち読者にとっては、この極限状態はむしろ快いスリルとなる。

そこにギャンブル・賭けの要素が加わるなら鬼に金棒である。

これらの素材がどんなふうに料理されるかは読んでのお楽しみ。短くサクっと読めるので飛行機の搭乗待ち時間などに一読されたらいかがだろうか。

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