第534話・第十三章までの主要人物、国家

*ネタバレを含みます。いきなり読まない方がよろしいでしょう。

*作中では語られていない設定も少し含まれています。第十三章終了時点までのことなので、疑問なところがあれば疑問のままにしておきましょう。

*第十二章までの主要人物、国家紹介で説明した箇所の一部は省略します。

*地図は近況ノート参照


〇26年目・秋

 1話:フィラッハ・フロスヴェン二等兵 ~ 2話:第二戦線の初期拡張

●27年目・冬

 3話:イスタメル傭兵隊 ~ 12話:エスナル作戦準備

〇27年目・春

 13話:助教イズマス・ヘルムビル技術中尉 ~ 15話:新大陸義勇軍

〇27年目・夏

 16話:マリカエル修道院の戦い・前編 ~ 20話:ザカルジン親衛軍

〇27年目・秋

 20話:ザカルジン親衛軍 ~ 24話:ベルリク抹殺準備

●28年目・冬

 25話:元軍医大尉リミネス・ツォルヴァイク三等兵 ~ 30話:ゼブル・イラリン=コッフブリンデ少尉

〇28年目・春

 31話:便利屋 ~ 34話:道路にする

〇28年目・夏

 35話:不死身の呪い人 ~ 39話:サウゾ川渡河作戦

〇28年目・秋

 40話:ベルシア撤退作戦 ~ 47話:死の宣告

●29年目・冬

 48話:まさに戯言


●魔神代理領

 帝国連邦軍によるイスタメル州無断通行の一件に抗議、同州に多大な戦争危機をもたらしたとして総統ベルリクに責任を取れと辞任要求を突き付けて飲ませた。それ以上は通行遮断などもせず追認状態。義勇軍として参戦予定だった赤帽軍の方針を転換し、フラルとの国境線に集結させてベーア帝国、神聖教会軍が越境して来ないよう予防措置を取る。


〇エスアルフ

 男:魔族

 魔戦軍指揮官

 新生エーランを支援する形で魔戦軍主力を率いてベルシア王国へ上陸。同国の大半を占領する中で西岸部を担当。精神操作系の魔術を研究しており、大天使の術が発効するには目を見る必要があると看破。また大天使がイレキシにかけた術を解除。イバイヤースの野心を警戒している。


〇ウラグマ

 男:スライフィール人:魔族・ゴルゴド

 イスタメル州総督

 帝国連邦軍に領内を、カイウルクには裏切られる形で無断通行される。またそれらに対して口頭で抗議する以上何も出来なかった。少なくとも内輪での政治的弱さが露呈。


〇カイウルク

 男:レスリャジン人

 カイウルク氏族頭領

 帝国連邦軍によるイスタメル州無断通行を先導し、通行支援を完璧にした。忠誠の先はベルリク。


〇ユルグス

 男:レスリャジン人

 イスタメル傭兵隊伝令士官

 髭が無い顔は父カイウルクそっくり。前線でそつ無く仕事をしている。


▲帝国連邦

 ベーア破壊戦争における第一次侵攻と計画後退によりカラミエ南部、エグセン東部、ヤガロ全域、フラル北東部において大規模な虐殺、不具化、インフラ破壊、住民拉致、革命輸出を実行。交戦国家の一翼である神聖教会を奇襲作戦で脱落させた。現在は第二次侵攻を企図しつつ、激戦で疲労した将兵達を休ませながらマトラ要塞線で防戦中。

*バシィール官語

 帝国連邦で採用された国語、文書語。遊牧諸語を基本に、不足する語彙を魔神代理領共通語から多く借用し、最新の科学語彙はランマルカ語から借用。魔神代理領共通文字を使用し、縦書き横書き双方共に左から右に進めて書く。単語毎に文字は連結する。習得者はまだ少ない。


〇ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジン

 男:セレード人

 黒軍頭領、国家名誉大元帥、遊牧皇帝、ウルンダル王、イューフェ=シェルコツェークヴァル男爵

 主人公。史上最大級の虐殺と破壊を伴うベーア破壊戦争の主導者。生涯一度の約束、信頼破りのイスタメル州無断通行で帝国連邦総統辞任に追い込まれるも、以前と何ら変わりなく国家名誉大元帥として活動中。また黒軍を帝国連邦の統制外存在として独自に戦闘判断を行うなど好き勝手を続けた。ヴィルキレクに伐採斧で頭部を割られたところまで観測されている。

*ザラ=ソルトミシュ・グルツァラザツク・レスリャジン

 魔都で立場や才覚を使って色々やっている。パパが知らない間に愛人軍団を編制していた。なんてことだ!

*ナレザギー

 全く出番の無い財務長官。念のため記述。

*シレンサル

 今回は出番の無い中央総監。ジャーヴァル、ザカルジン、アルジャーデュルなどから大量の軍を西へ送り出した。


○ベルリク=マハーリール・グルツァラザツク・レスリャジン

 男:セレード人

 ベルリクの第四子次男。彗星ちゃん。ミクシリアをババア呼ばわりする程度には健やかなクソガキに成長。

*ミクシリア・パンタグリュエン

 彗星ちゃんの世話係。ベルリクをお父さんと呼ぶ。学友としての属性付与。「むっ」と言われてみたい。


〇アクファル

 女:レスリャジン人

 遊牧皇帝代言者

 ベルリクに代わって”聖旨”を号して遊牧皇帝の意志を伝える役目を負う。若い頃から勝手にベルリクの名前で手紙の返事を出していた延長線上にある。

*聖勅

 ここではベルリクが発する勅令のこと。発せられた場合の強制力は国家方針を直接左右する。代表例は”ベーアの破壊”。

*聖旨

 ここではアクファルがベルリクに代わって発する、ベルリクの意向のこと。多くの場合は独自解釈が含まれ、独断で発行される。実のところ強制力は存在しない。


○クロストナ・フェンベル=グルツァラザツク

 女:エグセン人

 内務省長官

 通名ジルマリア。対神聖教会との停戦条約発効工作で主要な役割を負う。ベルリク暗殺を容易にするためヴァルキリカに情報を流していた。特別任務隊の皆には多少気を配っている。


○ルサレヤ

 女:古スライフィール人:魔族・ゴルゴド

 魔法長官、秘書局局長、総統代理

 ベルリクが総統を辞職することによって帝国連邦の暫定筆頭となる。イスタメル州無断通行の件で魔都まで謝罪に行った。あちらでも最年長であるため、彼女から卑怯にも謝られると中央政府の者達は頭を上げられない。


〇ゼクラグ

 男:マトラ妖精

 軍務長官

 お髭のゼっくん。ベーア破壊戦争計画の中核。仕事の範疇で質問すれば何でも即答する。


〇ナルクス

 男:マトラ妖精

 ベーア破壊戦争前線司令

 第一次侵攻では内マトラ軍集団元帥を務めた後、ラシージに後継として任命される。以前までの戦争でベルリクが務めた役目に近似。


〇ニリシュ

 男:チャグル人

 ベーア破壊戦争総司令

 第一次侵攻までは外ユドルム軍集団元帥を務めた後、ラシージに後継として任命される。以前までの戦争でラシージが務めた役目に近似。


○クトゥルナム

 男:ケリュン人

 極東方面軍司令、外トンフォ軍区/軍集団元帥、ウレンベレ特別市市長

 フラル奇襲時の内陸経路で主に活躍。ベルリクに煽られても反抗心など見せない。


〇アズリアル=ベラムト

 男:アッジャール人

 外ヘラコム軍区/軍集団元帥、水上騎兵左翼軍司令

 フラル奇襲時の沿岸経路で主に活躍。陸海共同作戦に優れる。


○”変な”デルム

 男:ダグシヴァル人

 高地管理委員会委員長

 ウルロン山脈作戦での仕事は完璧。アズリアル=ベラムトとは仲良し。


〇ボレス

 男:マトラ妖精

 高地管理委員会軍事部長

 口調が特徴的。ウルロン山脈作戦では兵站責任者を務めた。


〇ノヴァッカ・ダフィデスト

 女:元バルリー人

 内務省厚生局特別任務隊准尉

 副主人公。姓はダフィデスト市で幼年教育を受けたことに由来。人間の幼年教育課程者一期生。内務省軍が抱える人員不足問題を機動的な部署配置で埋めることが出来るお仕事の達人。その才能からルサンシェル、ヤズなどの要人監視任務も任される。年下美少女風で全年齢に好かれる素質がある。

*ラマフィーヤ

 資料課のおばさん。戦争開始前はハイロウで徴税官を務めていたが戦時に引き抜かれた。

*サマラ・ダフィデスト

 愛称サマー。ほぼノヴァッカと同じ経歴。通信隊専属。ヴァーこを嫁にしたい。

*メリカ・ザダラル

 愛称メリ。ザモイラ術士特務曹長。姓はザモイラ地方にある術士居住地の一つに由来。他術士と同様に喋るのは苦手。好きなものはノンノ。

*エーリッカ

 幼年教育課程者の女の子。少しずつ現場を勉強中。ノノたん先生が憧れ。

*特別任務隊

 内務長官ジルマリアの直接権限が強い部隊で、名簿通りに所属しているとは限らない。ルサンシェルのお世話から普通の職員がするような雑務までやることは幅広い。


○サニツァ・ブットイマルス

 女:イスタメル人

 特命作業員

 マトラ、カラミエスコ、ウルロン東部における計画洪水工事で英雄的労働力を発揮しベーア帝国に甚大な被害を与える。聖都の戦いではヴァルキリカの片目を潰してから戦死。ミリアンナに続きジールトにも子供、孫が出来て嬉しかった。

*サニャーキの専門家

 サニツァの現場指揮を執るマトラ共和国情報部の妖精。聖都東門外の黒軍騎兵に突入の合図を送った後、サニツァの死体と共にヴァルキリカに殴られ戦死。


○ジールト・ブットイマルス

 男:ヤゴール人

 大陸浪人

 旅中に四人組(狙撃手、観測手、警戒員、うんこちゃん)にまで増殖。南大陸からフラル半島へ上陸し、情報を集めては適宜思うままに提供。聖都の戦いではサニツァに孫の報告とヴァルキリカの目を狙撃してから逃走。


★黒軍

 ベルリクが作った私兵組織。参加に特別な作法は不要。帝国連邦軍との境界線は曖昧で同一とも言える。何かを確定させないことにより好き勝手出来る論理を採用。


○ギーリスの娘セリン

 女:ファルマン人:魔族・アスリルリシェリ

 セリン艦隊頭領

 魔神代理領に属していては参戦が不可能であるとして、イスタメル海域提督、マリオル県知事を辞して黒軍に参加。約束ではないが、約束の聖都焼き討ちに成功して上機嫌。ヴァルキリカに強酸を吐きかけて重傷を負わせた。


○セリンの息子ダーリク=バリド

 男:セレード人

 ダーリク分隊

 ベルリクの第二子長男。黒軍士官として成長中。竜大陸に黒軍本拠地を構える構想がある。

*ファガーラ姉妹

 ベルリクの命でダーリクの側近となった変態おばさん二人組。


○ジュレンカ

 女:リャジニ妖精

 サヴァルヤステンカの戦姫

 老化で第二教導団司令を辞する。後に黒軍へ移り、ヴァルキリカとの戦闘で戦死。

*レン・ソルヒン

 後レン朝女帝。回天軍五十万を引き連れて参陣。ジュレンカへの精神的依存は緩和された様子でベルリクに耳打ち。


〇アリファマ

 女:グラスト人:秘術・シッセリアの赤子

 グラスト魔術戦団筆頭術士

 情報により負の術”外向き”発動への術妨害を成功させるも、”内向き”発動への妨害は失敗。術の発動過多からの過労状態でヴィルキレクと戦い戦死。赤子の秘密は死に際に燃やして隠蔽。


〇ラシージ

 マトラ妖精

 黒軍将官

 第一次侵攻と後退で前線指揮を執り成功に導いた。後任を指名した後に黒軍の行動に加わる。聖都正門と宿場町、ヴィルキレク決戦時の迅速な陣地構築はラシージの手による。裏方なので目立たない。


〇キジズ

 男:アッジャール人

 黒軍骸騎兵隊長

 骸騎兵以外の指揮も執る。聖都では東門担当。


○ルドゥ

 男:マトラ妖精

 親衛偵察隊隊長

 運河突出部の戦いで行方不明。そういう意味である。


○クセルヤータ

 男:竜族(飛竜)

 竜跨隊隊長

 お相撲王。仕事は堅実確実。

*ヘムラプート

 新人竜。愛称はヘムヘム。かなり若くて体重が軽く、航空偵察任務を得意とする。


★ヤゴール=ヤガロ両王国

 同君連合。ヤガロ王国は一時、東ウルロン全域、大フュルストラヴ全域、略奪婚作戦から陣営整理の一時休戦を経てブリュヘムのほとんどを領土にしたが一次後退で全土失陥。ヤゴール王国は兄弟民族の難民を受け入れた。


〇ラガ

 男:ヤゴール人

 ヤゴール=ヤガロ両王、ヤゴール方面軍大将

 略奪婚作戦でシュラージュ女王をハンドリクの手から心も身体も奪い取る。領土も奪い取る。焦土作戦時にはヤガロ領民の心情に配慮。キザな台詞が臭くない顔をしている。オドカサルで結婚式を挙げた。


〇シュラージュ・アプスロルヴェ

 女:ヤガロ人

 ヤゴール=ヤガロ両女王

 ブレム前王が降伏してからハンドリク王子との政略結婚用に擁立させられた傀儡で、早々に略奪される。無力さは重々承知で宣伝目的の看護などやってみる。乳房が巨大。


○ブレム・アプスロルヴェ

 男:ヤガロ人

 ヤガロ王国世襲宰相

 前第一次ブリェヘム王。シュラージュの伯父。略奪婚作戦時には悪いエデルト人から姫を救うという物語を作り上げ、成功の一大要因とした。


★エグセン人民共和国連邦

 エグセン地方東部に作られた傀儡革命政府。内務省の手先、軍務省の被害者。国土は荒廃の極地に至り、生存者は一次後退の後に帝国連邦へ移住。


〇ジョハ・アンネブロー

 男:エグセン人

 革命防衛隊中佐

 無名兵士。人狼作戦で一家を惨殺された反エデルト派の没落貴族。エグセン人民共和国成立時に革命防衛隊に志願して出世。所属部隊壊滅時には偽装転向して白色軍団聖ゲルタ連隊連隊長代理にまでなり、マトラ要塞線攻撃時には偽装発狂して戦線離脱。愛しのノヴァッカを目指して脱走し、森林警備隊に殺されてから食われる。

 オトマク暦一七六三 ~ 一七九二

*革命防衛隊

 名の通り革命を守る軍隊。柔軟に判断される反革命分子と戦い、取り締まる。督戦隊として働く姿が有名。

*白色軍団

 旧人民共和国兵で編制された反革命軍。各連隊の名誉連隊長は聖職者。革命の赤に対して神聖の白。


★カラミエ人民共和国

 南カラミエ地方に作られた傀儡革命政府。内務省の手先、軍務省の被害者。ヤズ元帥の協力により多くの人的損害をエグセン人民共和国連邦になすりつけ、生存率は高い。生存者は一次後退の後に帝国連邦へ移住。


〇ヤズ・オルタヴァニハ

 男:カラミエ人

 カラミエ人民軍元帥

 カラミエ大公国公子だが関連権利は停止されているのと同等。民族的英雄。帝国連邦には大きな反発を持っていて反乱を起こすも失敗。一時はノヴァッカに監視されながら、カラミエ人の命を救うためにカラミエ人民軍を指導してエグセン人民軍を苛烈に督戦した。


〇ティートル・リンチェコーフス

 男:カラミエ人

 退役曹長

 無名兵士。降伏後は屑拾いで生計を立てる。色々とおぞましいものを見ながらも身を立てるため革命防衛隊に志願して不合格。ヤズ公子の潜伏場所の密告時にノヴァッカに惚れる。屑拾い中に負った怪我から破傷風に罹り、密告の返礼代わりに致死量の麻酔薬で緩やかに薬殺。

 オトマク暦一七五九 ~ 一七九一


★原理教会派

 セデロが発表した神学論文”論題”を基に聖典原理主義を実践し、信仰を市井の手に取り戻すことを目指す一派。聖府主導の権威、官僚、帝国、非人間原理の俗法主義を否定。聖法に特化し、俗人感覚から乖離している分は修士が市井で補う。

*修士

 原理教会派における聖職者階級に相当。とても敬虔で神学に通じる一般人というところは修道士に近いが、修道院のような施設に拠らず、隠遁生活も特別な集団生活も見て分かる服装もしない。

*聖オトマク軍

 原理教会派の教えを広めるための組織。迷える羊を導く牧童のように杖を持つことが推奨される。決して非暴力で無抵抗ではなく、常識的に自衛する。


〇マテウス・ゼイヒェル

 男:エグセン人

 原理教会派開祖

 聖典原理主義の布教、アタナクト聖法教会派からの改宗のため帝国連邦と協力。虐殺破壊の渦中で少しでも人々を救う方法を模索。原理教会派としての活動方針も模索中。


★正統聖王親衛隊

 または東聖王親衛隊。カラドスの正統血統を守るのが目的で、国際的な情報業務もする。西の合議聖王親衛隊とは姉妹関係にある。シュラージュ略奪婚作戦に成功。マルくんマールちゃん計画に協力。ロシエとの非公式非戦心得を交わす。エルドレク暗殺計画に関与。負の術情報伝達に成功。神聖教会との和約に成功。


○アルヴィカ・リルツォグト

 女:エグセン人

 正統聖王親衛隊隊長

 指揮するだけではなく現場に良く出る働き者。ラガ王がお気に入りになったが自制している。ベルリクに変な手紙を送ったのは反省している。シュラージュ姫を落とす口説き文句を考えた。それを言われたい。


○ヨラン・リルツォグト

 男:エグセン人

 リルツォグト家当主

 次期正統聖王親衛隊隊長。専ら後方勤務。魔性の美青年。家系的に男好きらしい。


▲新生エーラン

 俗称魔王軍。エスナルとベルシアの過半、フラルの北東部を”再”征服。エスナル戦線は停滞中。ペセトトの侵略、魔戦軍の本格参戦、合体連結水上都市の運用開始、北フラルの転向で実力以上の領域を手に入れている。


〇ハドマの息子イバイヤース

 男:サイール人:魔族・ダリュゲール

 魔王/バラーキ

 旧エーラン帝国領復古を目指していると公言、真意明らかにならず。ランスロウに本物が無い偽物と言われている。心に隙が出来ると下賤な笑いが出る。

*副王

 ハザーサイールの虫人魔族を蟻とするなら蠍の形態。昔のハザーサイールを知り、姿からイサ帝国と関係がある。ベルシア攻略作戦ではフラル半島東岸部を担当。

*スライフィールのウバラーダ

 バウルメア、魔尊師号を持つ。前線に出ずとも宰相相当の仕事もする。

*ムンタミッド

 ジルバナ州総督。マリカエル修道院の戦いで負った火傷からの後遺症で戦死。


〇マフキールの息子アリル

 男:サイール人:魔族・アムリドル

 アリル一党の長、アディアマー社社長

 副主人公。騎士として前線に出ながらもアディアマー社の業務をイレキシと協力して拡大中。普段は冷静でもサイール騎士道が滾ることもある。弓と魔術で飛行船の撃墜を主導する腕前。幾つになってもエスアルフには説教される。

*アルブ=アルシール

 虫人魔族。アリルとの稽古で闘死。その虫人騎士を複数抱える大規模な一党は勝者に引き継がれた。

*イッスサー

 虫人魔族。ベルシア攻略作戦では西岸兵站責任者を務める。アリル一党とは協力関係の独立一党主。古参の伝統的なサイール騎士。

*エスルキア

 虫人魔族。ベルシア攻略作戦では東岸兵站責任者を務める。新生エーランの方針で量産された魔族の一人で若い。


〇イレキシ・カルタリゲン

 男:ハリキ人

 アディアマー社幹部

 エスアルフに術を解除して貰って記憶を取り戻してから本領発揮。廃棄された水上都市を集めて合体連結水上都市イノラ・カルタリゲン号を作り上げる。古エーランに先例があった妖精との異種婚をイノラとする。耳の裏から中年臭。

*合体連結水上都市イノラ・カルタリゲン号

 名は妻より。水上都市を複数連結して管理機能を中央に集約した海に浮かぶ島の如き移動要塞。圧倒的な積載能力から高い火力、防御力、運搬能力を持ち、十万単位の重武装の軍隊を一度に揚陸可能。構造上の問題から岸壁に衝突する攻撃は推奨されない。


〇イノラ・カルタリゲン

 女:ペセトト妖精

 ペセトト団長相当

 合体連結水上都市の整備や、各地から集めたペセトト妖精を統率する。上位妖精ではあるが、やや曖昧なところがないでもない。人間と同じ感覚でイレキシと結婚しているかは不明。人間と喋る時はあまり賢くなさそうだが、ペセトトの同族相手ではそうでもない。


〇アデロ=アンベル・ストラニョーラ

 男:フラル人

 北フラル総督、フェルシッタ傭兵団団長、フラル解放軍司令

 北部同盟の構成員でもある。ヴァルキリカのフラル統一時の粛清から生き残り、南大陸から傭兵軍団を率いて帰って来た。神聖教会による統一政策への反発、ペセトト妖精の脅威、帝国連邦の占領地非公式委託を利用してフラル北東部で勢力を広げている。

*フラル解放軍

 フラル統一以前の独立中小国家林立状態、伝統的な地方政体の復活、解放を建て前にしている。


▲ギーレイ族領

 主要産業である傭兵稼業が大戦で盛り上がっている。

〇ニクール

 男:ギーレイ人

 傭兵

 高齢からギーレイ族のガロダモを辞し、一傭兵として戦場に挑む。ツキメの協力もあって夜襲でランスロウの防御陣地を陥落させ、大天使を殺害し、ランスロウ生け捕りへの道筋をつけてから戦死。連れ合いの元給仕の妖精も亡くなっており、心残りは無い。


▲ザカルジン大王国

 ベーア破壊戦争に伴う大量消費の影響で国内輸出産業が盛り上がって好景気を迎えている。帝国連邦から受けた恩恵や、実戦を知らない軍を抱えているという懸念から親衛軍を戦場に派遣する。


〇ダディオレ

 男:ザカルジン人

 上大王

 息子に大王の座を譲って隠居。己が戦死しても良い状態にして親衛軍を引き連れベーア破壊戦争に参戦。イスィ山地西麓の戦いで善戦。


●ランマルカ革命政府

 採算に合わない大規模武器輸出を帝国連邦や新生エーランへ継続。マインベルトへの守備兵力の提供のみならず、帝国連邦に派遣軍を送った。


〇ユアック

 男:ランマルカ妖精

 ユアック軍司令

 新大陸軍の古参将軍。帝国連邦への派遣軍を指揮して善戦。帝国連邦式遊牧騎兵訓練を受けた新大陸原住民騎兵も同行。食事には一家言ある。


○大尉

 男:ランマルカ妖精:亜神・猿

 陸軍大尉

 新大陸一の狙撃手。ユアック軍の作戦に参加した他、エルドレク王太子暗殺の実行犯。負の術を暗殺間際に受けて即死。

*鳥

 大尉の相棒。重態のエルドレクにとどめを刺す。観測した負の術の構造を見破って情報を広める。


▲革命ユバール

 兵器輸出が好調。対飛行船兵器の高射砲が対ロシエ戦で活躍中。対装甲銃も評判が良い。


▲新境自治州

 リュ・ジャンの乱に参加したアマナ人、天政人が主に強制移住させられた新大陸植民地。開拓間も無く、生活基盤が安定しておらず、傭兵による外貨稼ぎに依存。


〇リュ・ジャン

 男:文明人

 天力傭兵団団長、黄陽拳宇宙最高師範

 または太陽仮面。心を入れ替え新境人民のために粉骨砕身戦いに挑む。ベルシアの戦いで善戦。ペセトトの呪術人形である石猫の扱いを習得。


〇ツキメ

 女:アマナ人

 天力傭兵団副長

 くノ一。通訳や特殊作戦で活躍。大天使の殺害、ランスロウの生け捕りではニクールを強力に補佐。


●マインベルト王国

 ベーア帝国から何時、道路や迂回路として侵攻されるか分からない恐怖の下にいる。ランマルカ、オルフの軍が守備兵力として駐留するも気が抜けない。ベーアに対して禁輸政策を取っており敵対中立の立場を取る。


●セレード王国

 五国協商構成国として直接ベーア破壊戦争に参加していないが、黒軍としてシルヴ大頭領一行が参戦。しかもセレード領内から越境した。好き勝手している。


〇シルヴ・ベラスコイ

 女:セレード人:魔族・シェンヴィク

 大頭領、黒軍予備軍頭領

 顔無し、というあまり意味の無い仮名を使って黒軍予備軍を率いる。一応、セレード大頭領という身分は隠している心算。非公式という立場をあくまで取って整合性をつける。砲術の達人は列車砲でも達人だった。


●ペセトト帝国

 儀式遠征兵力も多数損なわれてきているが特に損害として勘定していない。前暦の既に死んだ――と見做される――者達が斃れても岩場に砕ける白波程の価値も無い。”西大陸再発見”以来の関心相手である異教徒の長、聖皇の心臓を抉り出して太陽に捧げて一応の目標を達した。

*石猫

 石造彫刻の呪術人形。休眠状態ではほぼ球体で投石機から放つのに適する。オスルンことジャガーを模し、懐くと可愛い動きを見せる。ペセトト妖精以外を味方と識別するためには一緒に遊ぶこと。

*水晶蜂

 水晶彫刻の呪術人形。蜂を模して空を飛び、翅が比較的脆い。攻撃対象の体内に衣服や靴までも突き破って侵入して脳や心臓を切り裂く。ペセトト妖精にとってもあまり縁起の良い存在ではない。

*髑髏戦士

 呪術で強化された水晶彫刻の甲冑を纏う亜神の戦闘員。ペセトトの精鋭部隊。


○廃帝

 ペセトト妖精:亜神・ゲル状

 廃帝

 その身体は変幻自在、飛んだり散ったり延びたりし、死人を生きているかのように操ることさえ出来る。聖都の戦いで教会方陣を破り、聖皇を攫って生贄の祭壇に送った。


●イサ帝国

 新生エーランから征服した旧黒人王国群を譲り受けた代わりに軍と金の提供を開始。


〇マーリー・ロンゴロン

 男:イサ人

 派遣軍司令

 鬣犬、ハイエナ獣人。獣人圧倒優位の社会で暮らしてきたので人間の扱いは、立場が無ければ喋る家畜程度。


●ファイード朝

 ベーア破壊戦争に関わりは少ないが、傭兵を斡旋する義理はあった。


〇スパンダ

 男:インダラ人

 インダラ・カピリ解放軍将軍

 ファイード王の元高級奴隷。今回は外貨稼ぎの傭兵としてベーア破壊戦争に参加。フラル戦線で戦い、多くの生贄をガマンチワに捧げた。


●ベーア帝国

 セレードの独立に続き、帝国連邦の侵略を受け国土は荒廃。人口は二割以上減少、ペスト保菌の齧歯類が定着、その他疫病も蔓延。主要河川は洪水と鉱毒被害で壊滅状態。共和革命思想や地方勢力との内紛も発生。友好国の減少と荒廃による輸出入量の低下、極度に軍事に偏重した産業構造と金価格下落による経済不安を迎えている。皇位継承にも暗雲が翳る。悪魔の釜の底で煮られるが如き状態。


〇ヴィルキレク・アルギヴェン

 男:エデルト人

 エデルト王、ベーア皇帝

 副主人公。家族仲は良好。国難で立場相応に悩む。政略結婚政策でまず事態の打開を進めた。フラル奇襲で出征式を堂々と行って逃げ帰り、恥を負ったまま聖都に逗留し、黒軍と廃帝に襲撃されて逃げ出し、退路を黒軍別動隊に襲撃される。ベルリクとの白兵戦では口内から喉を短剣で抉られる代わり、その頭部に伐採斧を確実に撃ち込んだ。

*負の術

 熱を奪い、運動エネルギーを減衰し、術さえも無効にする術。通常の術妨害に耐え、性質を理解した特別な術妨害に抗えない。体内で発動すると妨害こそされるが自身を守れる程度の効力は維持される。ヴィルキレクはこれを正確に理解していなかったし、肌の下だけ守って口の中を守らなかった。

*(大)ドラグレク

 前エデルト王。廃された後は悠々自適でまだまだ元気。釣りが趣味。妻の前女王は離宮で神経衰弱の療養中。

*ハンナレカ

 ベーア皇后。感情を包み隠すようなことをする気がないので一喜一憂する度に大騒ぎ。

*ルドリク

 ヴィルキレクの三男。まだ若くて成長しきっていないが、エルドレクのような風格に才覚は無い様子。

*他の息子と娘達

 次女フィーリカ。三女デメティア。四女イングリズ。五女アンナリーケ。四男(小)ドラグレク。

*ラジャベクール

 先の聖戦時に南大陸で得た黒人元奴隷。一般人として参加した最期の戦いでも抜刀先導を務め、ベルリクに頭を拳銃で砕かれた。


〇エルドレク・アルギヴェン

 男:エデルト人

 ベーア皇太子、特別作戦軍連絡将校

 ヴィルキレクの長男。経験は若くて浅いが、皇太子としての期待感は大きかった。聖都へ向かう列車内で大尉と鳥の組に暗殺される。また死に際に父と同じ負の術を開眼し、大尉を返り討ちにした。


〇ハンドリク・アルギヴェン

 男:エデルト人

 ベーア皇子

 ヴィルキレクの次男。ブリェヘム王国をベーア帝国へ繋ぎ止めるためにシュラージュと政略結婚して王配になる予定だったが略奪婚作戦で取り消し。人質にされ、魔都に送られ、ザラの愛人の一人になる。身体は大きく性格は内向的。


〇ヴァンス=ホルヘット・フェンドック

 男:エグセン人

 帝国陸軍参謀総長

 中将。軍大学校主席。軍政の天才ともしつこいガリ勉うんことも呼ばれる。ベーア帝国を完全な総力戦体制へと移行させる計画があり、ヴィルキレクが止めていた。


○シアドレク・ファルブス

 男:南エデルト人

 ニェスレン公爵

 シアドレク四世獅子公。戦場を見渡す奇跡とその解釈からの予言が出来るが、昨今の大規模化により頭の処理が追い付かず病に伏す。ランスロウに依頼された最期の予言の負荷で脳出血、死亡。


〇アースレイル

 女:エデルト人:真の人狼

 巫女頭、特別作戦軍”盾乙女マールリーヴァ”司令

 エデルト古信仰の筆頭。印術発明者。信仰に適う人狼の姿を理想にし、姪であるヴァルキリカすら現神と崇拝するほど敬虔。聖都の戦いでヴァルキリカの突撃に同道し、艦砲射撃の粉塵に消える。身内の男の子をペロペロしたい。

*印術

 龍朝の符術を参考に発明。表意の古エデルト文字を利用し、それに因んだ効力を発揮するというイメージを付けて未熟な術者でも術を実行出来るようにする。人体に適応するためには入れ墨や直接を傷付けるのが適当。


〇アダンス・ヴァレン

 男:エデルト人:真の人狼

 懲罰大隊司令

 傷だらけの歴戦の姿。オペラ歌手のような良い声をして、駆り立てる舌の印術を使う。対象にはやる気が無くても、疲れ果てていても無謀な突撃を強いることが出来る。

*懲罰大隊

 多数の懲罰兵を管理する部隊の規模が大隊であり、戦闘要員は別に数える。正規兵には任せられない被害担当作戦を主に請け負う。また三等兵や下等軍曹など独特の階級が存在する。昨今は固有名詞化しつつあり、兵力は師団規模となることも。


〇フィラッハ・フロスヴェン

 男:エグセン人

 シュターカレル伯国第四予備歩兵連隊”ジルヴァゼン”二等兵

 無名兵士。計画洪水で冠水した塹壕線で防御戦闘を行い、石油を流し込まれて火を点けられて戦死。

 オトマク暦一七七二 ~ 一七九〇


〇ベルラエン・ジルヴァゼン

 男:エグセン人

 ブリューン男爵、シュターカレル伯国”シュターカレル”連隊連隊長代理

 無名兵士。退却戦闘中に糜爛剤を浴びて呼吸器を痛めて窒息、戦死。

 オトマク暦一七二八 ~ 一七九〇


〇ルカ=カダート・カリマーム

 男:セレード人

 カラミエ大公国カリマーム騎兵隊少佐、ヤズ公子侍従

 無名兵士。ベルリク、シルヴと士官学校では同期。セレード軍の非公式武力支援を未然に防ごうとしてカラミエスコ山中でシルヴに殺される。カリマーム氏族はカラミエに居住するセレード人一派。

 オトマク暦一七四九 ~ 一七九〇


〇イズマス・ヘルムビル

 男:エグセン人

 メイレンベル大公国テオロデン大学工学部助教、技術中尉

 無名兵士。気球運用のために軍に協力している技術者。水泳が得意な既婚者。南カラミエからの壊走中、味方部隊に敵と誤認されて撃たれて死亡。命中弾を発射したのはルモン・ハイベネク。

 オトマク暦一七六ニ ~ 一七九一


〇ルモン・ハイベネク

 男:エグセン人

 南エデルト軍集団隷下で書類不備に付き最終所属部隊不明の伍長勤務上等兵

 無名兵士。信心深い青年で聖歌が上手い。頭が少し弱い。イズマスを射殺したのがトラウマで銃兵勤務が出来ず工兵勤務に移る。反転攻勢に出て南カラミエを奪還していく中で惨状を体験し、巨乳の看護婦の寝煙草を拾ったこと以外良いことがほとんど無い。妖精に拉致されてにゃんにゃんねこさんに加工され、どこかで晒し者になってから死亡。

 オトマク暦一七七四 ~ 一七九一


〇リミネス・ツォルヴァイク

 男:エグセン人

 特別作戦軍”盾乙女マールリーヴァ”隷下懲罰大隊三等兵

 無名兵士。元軍医大尉。情報統制対象である黒死病を周知しようとして懲罰大隊に送られる。運河突出部形成の激戦を潜り抜け、超人的に物資不足の中で戦場医療を施していき、最期には対人地雷を踏んで足が飛ぶ。その怪我と過労と栄養失調の組み合わせで死亡。

 オトマク暦一七五〇 ~ 一七九一


〇ゼブル・イラリン=コッフブリンデ

 男:エグセン人

 グランデン大公国第二三師団第六五連隊第四銃騎兵中隊所属第三騎兵小隊少尉

 無名兵士。リミネスに治療を受けたことがある元懲罰兵、恩赦で原隊復帰。アルツレインでの戦いの最中、爆弾で吹っ飛んだ人狼に当たって落馬、後頭部を強打。送られた病院で学生合唱団の慰問演奏を見ている中、人込みを縫う誰かが転び、寄りかかっていた柱に押し付けられて後頭部を再度打撃。脳出血で死亡。

 オトマク暦一七六六 ~ 一七九一


〇アイカフ・リッジボック

 男:エグセン人

 アルツレイン辺境伯北面郷土防衛隊独立猟兵中隊所属ステンデン組合小隊二等軍曹

 無名兵士。無制限徴兵で集められた質の低い部隊と共にリビス=マウズ運河、モルル川渡河作戦に参加。その中で精神を病んで狂って黒死病にも罹患。理性を失い、幻覚に誘われるまま病院の屋上から落下して死亡。ベルリクが落とした三角帽を誘われるように拾っていた。

 オトマク暦一七六九 ~ 一七九二


〇ユーク・ドリスタット

 男:エグセン人

 参謀本部直属独立”懲罰大隊”剣術師範、臨時憲兵隊佐官勤務大尉

 無名兵士。名門貴族でドリスタット流諸術の師範。軍法刑法の知識も要求されぬまま、自身納得しないまま、憲兵を務めながらセナボン包囲戦に参加。包囲陣に襲撃を受けた後に捕縛され、ラーム川沿いで磔にされて睾丸を銃剣で刺されて後に出血多量で死亡。

 オトマク暦一七五五 ~ 一七九一


●ロシエ帝国

 エスナル戦線をエスピレス地方の南北境界線付近で停滞に持ち込んだが、それは消耗戦の継続である。帝国連邦と和平を交わした神聖教会の吸収に一応は成功するものの、フラル戦線での激戦は劣勢のまま推移している。制海権でも劣勢傾向にあり、ベーア海軍と協同してようやく動ける程度で建艦能力が試されている。その陰でベーア帝国の乗っ取りさえも織り込んだ陰謀が動いている。


〇マリュエンス・カラドス

 男:ロシエ人

 ロシエ皇帝

 二代目ロシエ皇帝。政治や陰謀や闘争に関わらず優しく朗らか。趣味特技は母直伝の園芸、畑仕事。人々に愛される象徴君主以上でも以下でもない。

*マールリーヴァ

 ロシエ皇后。ヴィルキレクの長女。名前はエデルト神話の登場人物、盾乙女マールリーヴァより。


〇ポーリ・ネーネト

 男:ビプロル人

 ビプロル侯爵、宰相

 マリュエンス帝が清い反面、汚い仕事は全て宰相が引き受けている形。まるでベルリク主義者のようにその働きは仮借が無い。

*モズロー

 ロシエ陸軍元帥。エスナル戦線に派遣され、東岸部で活躍中。聞き分けが良く迎合しやすい。


〇ハウラ・ロシュロウ

 女:エグセン人

 ロシエ帝国宰相府調査室付き陸軍大佐、合議聖王親衛隊隊長

 ロシエ皇室、宰相府にまで大きく食い込んで国際的な情報活動に従事。お姉ちゃん達が大好き。可愛いポーリくんを愛人にしている、逆ではない。

*マルくんマールちゃん計画

 ロシエ帝国上位のベーア帝国との同君連合を結成する陰謀の計画名。


〇ミィ〔ゥフ〕ヴァー・ギィ〔ゥイ〕スケッ〔ゥッ〕ルル

 女:フレッテ人

 アヴナナール伯爵、槍と秘跡探究修道会修道騎士爵

 アレオン戦争以来のレイロスのお付きから、次はランスロウの子守りをする。基本はご機嫌取りをするだけだが、夜戦や身辺警護の必要があれば前線に出た。うるさい女も蹴り殺す。ルドゥの目玉が瓶詰の中でもお気に入り。


〇ランスロウ・カラドス=レディワイス

 男:ロシエ人

 独立戦略機動軍司令

 副主人公。現場の外からの人望が無いため政治的に弱体。現代ロシエ兵器運用の最高峰。気難しく赤目卿以外に心を開く相手といえば魔王イバイヤースぐらいなもの。開けば口も悪い。結婚していたが童貞。

*元妻

 おそらくランスロウにとって名前も定かではない。肌にさえ触れていない。赤目卿に頭部を蹴られて後に死亡。

*戸籍上の息子

 顔も一度見た切りで名前は知らない。弟のインベルが後見人になっている。

*独立戦略機動軍

 世界中を専用艦隊で素早く移動し、重武装高機動の精鋭部隊を送って様々な紛争を解決したり、外交親善活動を行う目的で編制されたが激戦の中で消耗。陸上部隊は壊滅、海上部隊は海軍に戻った。


〇インベル・カラドス=レディワイス

 男:ロシエ人

 陸軍士官学校学生、士官候補生連隊准尉

 無名兵士。ランスロウの弟。兄と違って革命騒動の中で貴族教育は受けられず、修道士程度の教育を偏って受けた。兄と違って性格は悪くない。儀仗兵として赴いた聖都で戦いに巻き込まれて戦死。遺族年金は血の繋がらない甥に渡される。


〇ヴァンロット

 男:ロシエ人

 独立戦略機動軍海兵隊大佐。上陸部隊の長で、自ら先頭に立って指揮しつつ戦うタイプ。強化外骨格装備の扱いに長けた。運河突出部の戦いでベルリクの首級を上げる寸前まで行ったが失敗、戦死。


▲アラック=エスナル連合王国

 エスナルは南エスピレスまで征服され、マリカエル修道院での戦いを期に戦線が停滞する。”魂は腐らず、心は折れず、骨が砂になるまで滅びない”を合言葉に住民総出の血塗れの抵抗を行っていて戦いは苛烈。軍事理論からは逸脱し、正規軍もその感情に流されて戦い方は不合理。連絡がほぼ途絶えた新大陸植民地は大きく損なわれている。


▲大ファロン

 混乱する議会はレイロスが副帝となることによって一応の秩序を取り戻す。グァジャル議員が独自に軍を起こしてペセトトに侵攻しようとしたがランスロウの手によって阻止されて一先ずの平和を維持する。


〇レイロス・アントバレ

 男:アラック人

 ファロン副帝、ファロン派遣軍司令

 独立した大ファロンをロシエ帝国下に引き戻しつつも、ペセトトとの闘争路線は回避して非戦政策を取る。彼の人気が無ければ議員も民衆も制御出来なかった。ランスロウの精神的弱さを心配して赤目卿を付けた。

*フェリーコ・グァジャル

 大ファロンの議員。原住民のシパテク系。先祖の代から仇敵であるペセトトへ軍事行動を取って大ファロンの中立性を損なおうとして独立戦略機動軍に阻止される。


▲キドバ王国

 国土を失陥した黒人王国群の一つ。ロシエに亡命政権を立て、成年男子不足から女性兵士部隊を設立。その血を持って名誉を盛りたてようと企図している。

〇ガンベ

 女:キドバ人

 摂政女王

 女性兵部隊を率いて名誉の戦死の機会を窺い、直接の指揮官である冷静なランスロウへ感情的な反発を繰り返す。南スクラダ山中の戦いで戦死。弟が王太子。


●神聖教会

 ラーム戦線で釘付けにされている間に帝国連邦の奇襲を受け、一挙に二百万の損害を出し虐殺される光景を目にして戦意喪失。和平条約締結のために全力を傾けている内に黒軍とペセトト廃帝に聖都を襲撃され中枢が壊滅。唯一頼れるロシエ帝国への、中枢メンバーの亡命が始まった。

*聖府

 政治中枢の意志決定機関全般のこと。ただ神聖教会と言うと他国に置かれる寺院まで含まれてしまう。内輪でしかあまり使われない呼び名。


〇ジョアンリ・オスカーニ

 男:フラル人

 聖皇

 聖名レミナス、その八世。前聖皇暗殺グループの一人。幻想生物量産路線を進めたある種の改革者、異端者。サウゾ川の虐殺からの帝国連邦への降伏、ロシエへの恭順を決断。使者が移動している内に事態は悪化して聖都を襲われ、ペセトト廃帝に攫われ、水上都市で心臓を抉られて太陽に捧げられ、その身体は慣例に従って刺身で妖精達に食べられた。まるで見えない手を使い遠隔で握るという奇跡を使う。

*レミナス一世

 遠い先代。古く、ヤガロ王ウジェクを改宗させて略奪行を中止させたと言われる。真偽不明。


○ヴァルキリカ・アルギヴェン

 女:エデルト人・真の人狼(大)

 第十六聖女、聖戦軍指揮官

 かつてはバラバラだったフラル諸国軍を統一指揮で動かせるようにまではなったが、相手が悪く奇襲攻撃で活躍する前に壊滅して残りカスだけになる。聖都の戦いでは宿敵ベルリクが西門の外にいるかのように誘導され、満身創痍になり、ダーリクが撃った秘術式回転拳銃で射殺される。


〇イヨフェネ

 女:フラル人・天使

 聖女名代

 渡来してきた大天使を扱うため専用の天使にされてしまった。生えた翼は体重と筋力に合わず空も飛べず、体捌きを乱して歩くのも大変。戦闘能力無し。実は臀部がそこまで肥大していない。聖都で量産されている偽天使とは別種。

*大天使

 聖典にある記述を忠実に再現して龍朝で造られた天使。三対の翼、巨大な一つ目と更にその周囲に無数の目があり、手足に胴腹も無い異形で牛や馬のように大きい。対象の目を見れば脳に術を送ることが可能で、記憶の操作が出来る。結果発狂させることも可能。聖都で量産されている偽天使とは別種。


〇チタク・ダスティオ・ブレーメラ

 男:エスナル人

 エンブリオ枢機卿

 ランスロウの理解者、その軍事能力に憧れるがたぶん才能は別方向。エスナル戦線では我の強い現地貴族、将校、官僚とロシエ軍関係者との折衝役になっている。次期聖皇候補とも言われる。


○セデロ

 男:フラル人

 ウステアイデン枢機卿

 ”論題”発表者で聖典原理に反するアタナクト聖法教会派を非難しつつ、しかし体制側についたまま。神学的に正しいことを言ったまでで改革派ではなかった。あくまで内からの穏当な変化を望んだ。フラル奇襲で捕縛された後、剥製にされる。


○リュハンナ=マリスラ

 女:セレード人

 ベルリクの第三子次女。

 魔都からハンドリクの靴下を持ち帰り、ポルジアをヴァルキリカの前に引き出し、戦地からイヨフェネを救出し、ヴィルキレクにはラジャベクールを引き合わせて不死殺しの勇者の斧を贈呈。自由気ままに振る舞っている。

*ヤネス・ツェネェンベルク

 リュハンナのわんわん。見えない首輪と紐がついている以上はそういう振る舞い。

*ゲルリース

 天然の角馬。相棒をヤネスからリュハンナに乗り変えたかのようである。


〇エマリエ・ダストーリ

 女:エグセン人

 自由業、無所属聖王親衛隊

 自宅で煙草とうんこをしていたところヴァルキリカに外交員として雇われる。地味顔で身体はすけべ。たばこのみ。眼鏡をかけると、

*ポルジア

 危険に酔っている潜入工作員。基本は無所属だが最近はジルマリアに使われている。直近の仕事は伝令。

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ベルリク戦記 ー 戦争の生涯 ー さっと/sat_Buttoimars @sat_marunaka

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