明治大正昭和! 伝奇ロマン作品 完結3選

まだまだ人間の技術力は低く、夜の街は暗い闇。そこには妖しき存在が潜んでいる! 新しさと古さが混じり合う時代からこそのレトロな魅力! 



ハイカラ娘と銀座百鬼夜行


https://kakuyomu.jp/works/1177354054884544531

作者さま: 作楽シン

文字数:104,403文字


紹介

元気いっぱいの男爵令嬢と平穏に生きたい書生が、明治時代の東京を駆け回る。何やら女学生が狙われる事件が起きているようで……?


感想

筆力がありドンドン読んでしまいます。ヒロインの環蒔たまきお嬢さんは、ハイカラお転婆令嬢感がすごい。そして、狐のアカトキさんが良い性格してる。


話全体としては怖いって感じはせず、和風ファンタジーみたいなノリ。しかし、妖怪たちの描写には「あと一歩踏み込むと帰ってこれない恐怖」みたいな空気がある。確かな表現力を感じる1作です。



アヤカシ記者、蒸気都市ヲ行ク。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054882239878

作者さま:黄鱗きいろ

文字数:139,129文字


紹介

史実とは少し違った大正時代。「裏島正雄」は不思議な事件を発信する、アヤカシ記者。助手の女学生「薮内あおい」と共に奇妙なできごとに遭遇していき……?


感想

あおいさんの語り口が生き生きとして軽快、序盤から一気に引き込まれる。物語の構成も上手く序盤からのいろいろな物事が終盤につながっていく。こういうのは読んでるほうも盛り上がりますね~。



帝都つくもがたり


https://kakuyomu.jp/works/1177354054882353483

作者さま:佐々木匙

文字数:100,696文字


紹介

昭和初期の東京。酒浸りで怖がりの小説家「大久保」とネタに貪欲な記者「関」の2人は怪談を集めるため、あちこちを奔走する。真夜中の恐怖ではない、夕暮れ時の怪奇連作短編。


感想

レトロを意識した文体がとても軽妙で完成度が高い。文章そのものに工夫がある作品は好印象ですよね。


メイン2人は癖が強いものの人間味があり、なんとも親近感がわく。個人的には関さんの怖がりっぷりと、精神的弱さに共感しちゃいます。テンポ良く進みながら、1話1話しっかりと味わい深い作品です。↑の2作品と比べると、ややホラー要素強め。



というわけで、伝奇ロマン作品完結3選でした。ここで紹介した作品の共通点として、非常に文章力が高いです。地の文・キャラクターの口調をしっかり工夫してレトロな世界を表現している。安易に現代的な文章を書いてしまうと雰囲気ぶち壊しになるジャンルだけに、丁寧で研究熱心な作者さまが多い印象。


江戸時代以前からの妖怪たちと、文明開化による西洋風俗。独特の魅力がある非常にロマンチックな時代ですよね! 

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