恋を捨て、片想いを捨てる。そんな二人が紡ぐ焦れったい恋愛の行方は!?

紗菜子にとって忍とは、幼馴染であり、誰よりも親しい『おにいちゃん』という存在だった。永遠に変わらないと思っていた忍との距離。けれどそれは、親友である奈子の結婚式に参加したことで少しずつ変わり始める。
「失恋したいの」――その一言から始まる、紗菜子と忍のじれったい恋の行方やいかに…!?


幼馴染のじれったーい恋愛の醍醐味をこれでもか!と味あわせてくれる物語です。さりとて、そこに不自然なものはなく、「あぁ確かにこの状況だと、そうせざるをえないよなぁ…」としみじみと共感させてくれる。そうして気付いたら物語の世界へ…!と言う感じで、見事にハマってしまいました。

この物語の主人公である紗菜子と忍。この二人の性格がまずたまりません。
紗菜子は一生懸命に考えて行動しているのだけれど、どこかで爪の甘さがある。けれどそこが愛おしい(だからこそ、彼女に惚れ込む忍の気持ちがよく分かるのですが)。
対して忍は、紗菜子のために一生懸命耐えているのです。が、そこがもどかしくもあり、「忍くん、本当にいい男だなぁ…」と感じるところでもあるのですね。
えぇもうとにかく、この二人のバランス感が好きです。

加えて、彼女達を取り囲む脇役も魅力的!
紗菜子のお姉さんのような立ち位置の奈子、忍の元カノである愛、忍の親友であるトモくん。立場や行動こそ違えど、要所要所で紗菜子達を導いてくれる彼らの存在が愛おしくてたまりません。

現在第31話まで読んでおりますが、クライマックスも近づいてきて、一人でドキドキしております。紗菜子が悩んでいた時、忍くんは何を考えていたのか。
忍とともに悶々としながら、恋の行方を見守っていきたいと思います。

ほんのりコーヒーが香る、優しく素敵な恋物語。
皆様もぜひ一度、お読みくださいませ…!

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