言い伝えが人を裁く。

 双子を不吉とする迷信は、日本に確かにあった。今はほとんど廃れた(当たり前だ)が、昭和も後半になるまでは根強かった。
 京極夏彦先生風に解説するなら、そうした迷信はなにかしらの集団心理を説明するために生まれたのだろう。しかし、いつの間にか『説明』が『説得』に変質してしまった。それが『命令』になるのは避けられない成り行きだったに違いない。

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