概要
にいさん、あなたは何に焦がれていたのか。
僕が十八の晩冬、兄が死んだ。自殺した兄の室には、大輪の紅椿のような血しぶきが散っていた。
そこから、ひとりの少年を捕える幻視がはじまる。
「紙とペンと紅椿」で参加します。
※ボーイズラブです。男性同士の性愛描写があります。ご注意ください。
そこから、ひとりの少年を捕える幻視がはじまる。
「紙とペンと紅椿」で参加します。
※ボーイズラブです。男性同士の性愛描写があります。ご注意ください。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!切なく儚い、兄への思い。
冒頭から言葉選びが美しい。
ひとつでも言葉選びを誤れば、残酷になったり卑猥になってしまいそうな描写を巧みに、美しい世界観の枠に収めきっている。
エロスでも品のあるもの、品のないものがある。品のあるものが高尚で、品のないものが低俗というわけではないが、この作品には、品があり高尚なエロスの空気がある。
そうでありながら酷い。
弥の気配は、いつまでも迩のそばにありながら迩を感じてはいない。それを知っていながらも迩は、弥に命という熱を与え続けていくのだろう。迩にとっては、それも幸福であるのかもしれないが、破滅の見える幸福は仮初めだろう。そう思うと、酷い。