永遠より一瞬一瞬を大切にしている主人公達

 地味さの中に美しさの原石を見出だす。そしてじっくりと研磨し、輝かしめる。それは見出だした者だけに許される精神的な贅沢だ。
 作中にて主人公と彼女は互いに取るに足らないことを愛でているようではある。しかし、『似合う』という概念は目玉が捉えた光の集積であり、その時その時に『しか』存在しない。眼鏡にせよチューバにせよ、二人は無意識の内に、相手を最も美しく引き立てるその瞬間を取り出し磨き上げていたのだろう。

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