軽やかな風に乗ってやってくるは旅芸人

 この小説はですねぇ……あまり詳しくは書けないですね。ネタバレ的な意味で。とにかく第一章で私はやられました。そっちか、と。

 情景描写や登場人物の感情の機微などはとても高いレベルでまとまっています。だからこそ、読んでいてストレスがない。スラスラと読み進めることができました。

 発想もお見事ですね。女性の身体を鞘とする。

 「男は刀、女は鞘」「元さやに戻る」などといった言葉がある様に、女性が鞘に例えられることはよくあります。ですが、比喩表現ではなく女性を鞘にしてしまうというのは、思いつきもしませんでした。その発想力に脱帽です。

 思わずくすりと笑ってしまうような場面があったり、時代劇のように悪人成敗ですっきりするような場面もあったりで、とても楽しめる作品です。

 ある意味で王道とも思えるこの作品、皆様も一読してみてはいかがでしょうか?

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