魔物の肉 2

ツノがあるウサギを捌いたあとは、畑の手入れと家事を一通り終わらせた。


そして、ある程度晩御飯の下準備を終えて、今俺の前には今日捌いたウサギの肉がある。


「これドーしょーかな」


「とりあえず焼いて食ってみるか」


一口大にカットしてフライパンで焼いていく


普通のウサギは、油があまり乗らず血の香りが強い赤身の肉で、甘くて野性味あふれた味で、好きな人は好きだが、血の香りや野性感を感じるのがダメな人はダメと別れる。


フランスではジビエ料理として昔から親しまれており、最近では日本でも人気が出てきており、ジビエ専門店なんかも出てきているらしい。


そんなこんなでウサギの肉が焼け、お皿にとる。



「よっし。見た目は普通のウサギとあんま変わらんな」


匂いはっと


「あれ?あんま臭みないな」


「まっ、とりあえず食ってみるか」


「いただきます」



「うん。ウサギの肉って感じじゃけど、臭みはあんまないけぇ〜食いやすいな」


「あと、甘みもあるし、柔らかくてしっとりしとるしうまいな。味付けなんもしとらんけど、しっかりと味があるな」




「そーいやー『料理』もスキルにあったよな」


『生産の神』のスキル一覧で『料理』と検索する



ーーーーーーーーーー

料理

料理をする際にスキルレベルに応じて補正される。このスキルを使っているのと使っていないのとでははっきりと差が出てくる。

ーーーーーーーーーー



「ヘぇ〜そーなんじゃ。焼くだけで料理とは言わんかもしれんけどやってみようか」


『料理』を使うと意識して、切るところから始める。


先ほどとは明らかに包丁の使い方が上手くなっている。全ての工程がスムーズにに進んでいく。


そして肉が焼けていき、まるで肉が照り輝いているように見える。あまりにも美味しそうでフライパンから直接食べる。


噛んだ瞬間にしっとり感とともに、口の中に一気に旨味が広がり甘みも感じる。


「うっま!」


「なにこれ!まじで美味いんじゃけど!」


「同じ肉とは思えんわ!」


「これで料理したるどうなるんじゃろーか」


どんどんと好奇心が出てくる



「何つくろーかな。前”パンチェッタ巻きロスト”作ってたべた時美味しかったけーこれつくろーかな」


「えぇーっと、ウサギ1羽に対して塩と胡椒、タイム4枚に粒マスタード大さじ3、パンチェッタ8枚、生クリーム1/2カップ」


「あと付け合わせとして、じゃがいも、塩、胡椒、エクストラヴァージン・オリーブオイル」


下準備で8等分にして、塩コショウをして少しおいておく


「準備はこれでえぇーな」


「じゃーやりますか」


『料理』を意識してっと


オーブンを180度に予熱する。


肉にマスタードを塗り、刻んだタイムを散らした後、パンチェッタで巻いていく。そしたらじゃがいもを食べやすい大きさに切り、塩コショウしたらエクストラヴァージン・オリーブオイルをふりかけていく。


肉とじゃがいもを予熱しておいたオーブンに入れ約30分間、肉に火が通るまでローストしていく。そのあとにオーブンから取り出し、休ませておく。


温めておいたお皿に盛り付け生クリームをかけ、じゃがいもを添えたら出来上がり。


盛り付けも、プロ並みである。


ここまでの作業がまさに流れるようにスムーズ進んでいった。




「よし!かたずけもほとんど終わったし食べますか」


「いただきます」


肉を切り取り口に運ぶ


その瞬間、身体中を電気が走ったかのような感覚に襲われる。


「やべー、美味すぎるじゃろこれ」


「美味すぎて、どう表してえぇーかわからん」



その後一人ワインを口に利ながら、パンチェッタ巻きロストを食べるのであった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る