俺の過去
東京の郊外に生まれた。家庭は普通だった。まー、なぜか家の敷地だけはすごくひろかった。そんな家庭で楽しく幸せに過ごしていた。
しかし、ある日を境に楽しい日常は崩れた。
それは、俺が10歳のこと。
俺の大好きだった母が重い病気で倒れ、救急搬送されそのまま死んでしまった。
俺はそれから3日間ろくにご飯を食べずに泣きつずけた。
母の葬儀を身内だけで行い、それも滞りなく終わった。
そして、葬儀が終わってから1週間が経とうとした時、父が壊れるかのようにしておかしくなった。仕事を辞め、昼から酒を飲み、ついには、ギャンブルにまで手を出し始めた。
でも、まだこの頃はよかった。酷くなったのは、母が死んで2年がたち、俺が中学に通い出した頃だった。その頃には、父は借金まみれになっており、そして俺に暴力を振るってきた。
それとほぼ同時期、学校でいじめられた。いじめに定義はないが、さすがに集団で殴られたり蹴られたりの暴力はいじめだと思う。俺が何をしたのか、気に障ったのか知らないが、急にいじめられた。もちろんこのことを学校にも相談したが取り合ってもらえなかった。
家で殴られ、学校でも殴られで嫌気がさして、母方の親戚に頼み込んで家から少し離れた場所に格安のアパートを借りてもらった。家賃や生活費は、自分で稼いでいた。朝と夕方は基本新聞配達をして、新聞配達が終わったら居酒屋で8時までバイトをした。それでも、たかが中学生のバイト代、両方合わせて日給3000円にも満たない。それで、あまりが出た時は、できるだけ貯金していった。
この時、俺の唯一の楽しみは勉強になっていた。勉強と言っても学校の勉強ではない。法律や経営、建築などジャンルを問わず様々な知識を蓄えた。まず第一に、法律について勉強した。これは社会に出て、騙されないようにするためと、散々俺をいじめてきた奴らを見返すためだ。それがだんだん楽しくなってきて、趣味で様々なことを学んだ。
そんなこんなで、月日は経ち俺が三年になって近くの工場に就職が決まって卒業まじかのとき、追い打ちをかけるかのように実家が燃えた。母との思い出が詰まった家が燃えたのだ。そして、その火事により父は死んだ。正直いって父が死んだことはどうでもいい。一番めんどくさいことが降りかかってきた。まず、今回の火事による生命保険や火災保険などの保険関係、そして、の遺産を巡って父方の親戚がケチをつけてきたが、法律について勉強していたので、負けずに全て取り返した。
しかし、1週間が経ったころ、借金取りがきた。借金取りは俺のところに来て、借金を払えと言ってきたが、これも勉強した甲斐があり、父方の親族が連帯保証人になっており、それは、遺産を取ろうとしてきた親族だった。
それから、保険でお墓を作った。集団墓地に、小さくてみすぼらしいがお墓を作った。そこに、父と母を埋葬した。あんな父でも俺の唯一の父なのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます