梅雨時期の紫陽花が咲く、バス停の男女。しとしとと降る雨の中、二人でバスを待つ。しかしそれも今日が最後だった。 少女は相手に近づきたくて、たまらない。 しかし相手の気持ちが分かってしまうのが、怖かった。 少女がその想いを伝えた時、彼の反応は――。 最後の告白。最後のバス停。紫陽花だけが鮮やかで。 最後に明かされる少女と相手の関係性にも、はっとさせられる一作。 文章は、情景が浮かぶようだった。 是非、御一読下さい。
丁寧なのにはっきりしていて、短い間に物語の世界観へすっと引き込まれていく感じです!そしてこの読み終えた後の気持ち……このお話を読めてよかったです(*´д`*)
明日から離れ離れになるから。秘めてた想いを伝えたい。切なさで胸が張りさけそう。
五分間ドラマでテレビに流れてもなんらおかしくない秀作。ともすればありきたりになりがちなこの種の恋愛譚が、格調高い青春の刻印になったのは作者の手腕あったればこそ。
雨の降るバス停で、明日からは別々の学校に行かなければならない紗英と律。ならばせめて最後に、この想いを伝えよう。こな作者様の書くお話は、毎回心理描写が丁寧に描かれていますけど、今回も例外ではありません。好きという気持ちと切なさが、痛いほどよく伝わって来ました。切ないけど、とても綺麗な恋のお話です。
明日から離れ離れになる二人の、別れ際の一コマ。そのたった一コマに、どうしてこれだけ心揺さぶられるのでしょう。文章が物凄く綺麗なんですよ。周りの情景とか、主人公の女の子から見た彼やとか、心の内とか、それらが見事に描かれていて、一瞬一瞬がとても掛け替えのないもののように思えるんです。何とも抽象的な表現になってしまいましたが、この文章や表現の良さは、自分の言葉ではなく直接本文に触れてみないと分からないと思います。短い中に、これだけの想いを込める事ができるんだ。そう思わずにはいられない、素敵な恋の物語です。
なんということでしょう。読んでしまえば最後。甘い溺死に誘われますよ。とても読みやすいお話なので、是非ともみなさんにも読んで体験して頂きたい作品です。多くを語る必要のない、素晴らしいお話です。
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