プロペラ戦闘機ってなんだろう?

 はい、まず大前提です。皆さん、戦闘機ってどういう飛行機なのかわかりますでしょうか? 文字通り戦闘をする飛行機のことです。


 でもまあ、飛行機の戦闘の仕方にもいろいろあります。

 敵に爆弾落としたり、銃弾を撃ったり、ミサイルを撃ったりします。

 普通、戦闘機と言った場合、空を飛んでくる他の飛行機を、同様に空を飛んで撃ち落とす戦い方をする飛行機のことをいいます。

 飛行機が戦争に参加するようになったのは、百年前の第一次世界大戦の最中です。

 このとき、最初に戦争に参加した飛行機は、飛行機同士で戦闘するなんて考えられていませんでした。しかし、すぐに飛行機同士で戦闘をするようになっていきます。


 軍事目的で使う軍隊の飛行機のことを、まとめて軍用機といいます。戦闘機は、軍用機の中の区分のひとつだったりします。固定翼機と回転翼機で分けたりする場合もありますが、これは簡単に言うと飛行機とヘリコプターのことです。


 戦争に参加する飛行機の区分は戦闘機の他に、爆撃機、攻撃機、偵察機、哨戒機など、その目的と用途に合わせた呼称があります。爆撃をするから爆撃機、偵察をするから偵察機のように分けます。

 中には、戦闘機と爆撃機を兼ねた戦闘爆撃機、戦闘攻撃機などの言い方もありますが、気にしなくて構いません。

 最近だと、戦闘機に、航空戦闘以外にも何でもさせるようになったので、マルチロール機という分類もできました。


 さらに空母の上から飛ぶ艦載機、日本海軍の場合はさらに分けて海軍の拠点を守るための戦闘機だから、局地戦闘機という場合もありますが、この辺についても後から説明することになるかと思います。


 さて、次にプロペラです。

 飛行機にはプロペラが付いているものとそうでないものがありますね。

 一般に、プロペラが付いているのをプロペラ機、プロペラではなくジェットを噴き出して飛ぶのをジェット機と言って区別します。

 実は、法律の上ではプロペラの有無で分類しません。

 航空法では、エンジンの仕組みによって、ピストンかタービンかで分類します。

 で、ピストンエンジンのことをレシプロエンジンと言ったりもします。レシプロケーティングreciprocating、つまりピストンの往復運動です。

 このレシプロエンジンで飛ぶ飛行機を、レシプロ機と呼んで区別します。レシプロ機は、ほぼプロペラを回して飛びます。

 そしてもう一方のタービンエンジンですが、我々がジェット機と呼ぶものはタービン機です。このタービンエンジンにも、ターボジェットやターボギヤードエンジンあり、さらにスクラムジェットエンジンとかありますが、あくまで本項はプロペラがついている戦闘機について解説する入門記事ですから、このジェットエンジンの区分については気にせず進みます。


 ちょっと面倒くさいのですが、タービン機にもプロペラを回して飛ぶ飛行機がそれなりにあります。ラムジェットエンジンでプロペラ(のようなもの)を回すという頭のおかしい機体の計画もあったりしますが、あくまでもわかりやすいプロペラ戦闘機について語っていくことにしましょう。変態飛行機好きの方は後半になったら説明するかもしれませんので、お待ちください。


 補記しますと、プロペラが付いているけどレシプロエンジンではなく、タービンエンジンで飛ぶ飛行機もそれなりに存在します。

 これがターボプロップエンジンというものでプロペラを回すのですが、このエンジンを積んだ軍用機は、基本的には輸送機や爆撃機、練習機や偵察機なので、のちに少し触れるかもしれません。ターボプロップのプロペラ戦闘機も、一応試作段階では存在します。

 ……今思ったんですが、レシプロ戦闘機じゃわかりずらいんで『プロペラ戦闘機の歴史』と銘打ったわけですが、解説する範囲が広がった気がします。でも、気にしないで進めることにします。


 ともかくプロペラが付いた戦闘機は基本的にはレシプロ機、これで大丈夫です。

 プロペラで飛ぶ原理は、簡単に言うと空気をプロペラで掻いて前に進む、今はこれだけ覚えておけば十分でしょう。

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