ただひとりへの愛が全てを救う、究極セカイ系ロボット小説!!

 聖杯、聖槍、聖遺物、そうした宗教的に神聖な物品を兵器として消耗品扱いする。読む前から本作にそういう要素があることだけは知っていたため、以前はブラックジョークの印象が強かったのですが、読んでみるとそんなものはごく表面的なものだと理解しました。

 作中の人類は滅亡の危機に瀕していて、ただ生きることに必死なだけ。それが聖なる物品さえ使いつぶす、なりふり構わない姿勢に現れているのだと分かりました。なので、もし以前の私が抱いたのと同じ印象のためにこの作品を敬遠している方がおられましたら、もったいないと思います。

 主人公の男性も、全人類を救うという究極に汎愛的な使命を背負いつつも、幼馴染の少女への恋心という人として等身大の想いをどこまでも貫く、感情移入しやすく魅力的な人物です。その想いに殉じた壮絶な物語を、あなたも是非、最後まで見届けてください!!

その他のおすすめレビュー

天城リョウさんの他のおすすめレビュー206