聖者は戦いに身を投じる。愛する人を蘇らせるその時まで。

 まず初めに言いますと、この小説は五万文字近くの中編である。

 その五万文字という短い中、壮絶なバトル、豊富な装備とその説明、そして主人公の生きざま、それらを詰めに詰めた構造は本当に舌を巻くほどだ。

 クリスマスの夜に愛する者を、全てを奪われてしまった一人の少年。彼は愛する者を取り戻す為、自ら聖者になって天使を焼き尽くす。

 世界の為ではなく、人類の為ではなく、ただその女の子の為。その純粋な気持ちが、この小説の中で深く刻まれている。

 まだ読んでいない方はぜひとも堪能をしてほしい。そして最後まで見届けてほしい。

 聖者というの名の一人の人間を描いたその戦いを。

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