★30つけたい

 胸が肥大化していくという現象はあくまで物語の加速装置であって、その先にあるすばらしい結末を一人でも多くの人に味わって欲しい。大切な相手と出会い、交流する中で気持ちが温かく切なく揺さぶられていく様は極上の恋愛小説のようでいて、そこに現代小説では成し得ない『長大な時の流れ』というSF的な縦軸が組み込まれた傑作。やーすごい。途中何度も唸りました。すげぇなぁと声を上げながら読みました。
 感情の機微を表現する文章にはっとして立ち止まり、知らんぷりしてどこかで引用しようかなと思える程の素敵な一文を、物語の途中で足踏みしながら何度も頭の中でくり返しました。

推します。

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