第9話 春季キャンプ 1日目
結婚式が過ぎ暫く経った。
その日は俺も香織も強く求め過ぎてしまった。
けど、結婚したことで香織は大学への進学を諦めさせてしまった。
だが、香織はアスリートフードマイスターの取得を目指し日々の学校生活と共に頑張っている。
キャンプが始まると暫く香織とは実際に会うことが少なくなる。
家にずっと1人で入らせるわけにはいかないから帰省している。
余談だが、近いうちに家が建つ。場所は幕張の住宅地だ。
最初は父 雄三が別荘として建てていたがロッテ入りが決まり、俺に譲ってくれた。
家からは、幕張の海が一望できおまけにプライベートビーチ付きだ。
山本家は各地点で色々な別荘があるため維持費がとんでもなくかかっていると思う。
山本家の本籍は熊本にあるが今は福岡にある。
福岡には俺の爺さんと婆さんが住んでいる。
幼稚園までは福岡に住んでいたが小学校へと上がる際に父がシャインコーポレーションを立ち上げ東京へと引っ越した。
さて、話は変わるが第8話でのとある人物と紹介したが正確に紹介しよう。
彼女はローレン ケイト 22歳 170cmとモデル体型でありながら、大学を18歳で卒業して日本にやってきた。
何やら、父が俺の分析をしてくれと頼んだらしく野球についても詳しい。
日本語も完璧に話すことができ、スペイン語やドイツ語も話せると言う。
常に試合時はバックネット裏からスピードガンとスマホを持ち計測している。
自分で専用のアプリを作るなどすることもでき、プログラミング技術も持っている。
さて、ここから本題だ。
今日から春季キャンプが始まる。
嬉しいことにキャンプは1軍のためしっかり結果を残さなければならない。
キャンプ初日でありながらいきなり紅白戦を行うとのことで球場には多くのファンの皆さんが来て頂いている。
そして、キャンプ地が石垣島とのことで人生初めて沖縄にきた。
俺は紅組の7番ライトで出場だ。本当に二刀流として起用していくつもりらしい。
しかし、俺は抑えを望んでいる。
そのため少し変わった方法で起用される。
まず、DH制にして野手として出場して特定の場面でDHを解除してピッチャーとして投げさせる方法にする。
でも、今日は紅白戦で結果を残さなければならない。
バッティングを重心に練習していると、紅白戦の時間が近くなった。
紅組は先行だから1番の荻野選手が打席へと入った。
さて、プロ初試合の始まりだ。
1回の表は白組の先発石川投手が3人で斬った。
流石のコントロールだ。
石川投手といえばヒーローインタビュー時に他人事みたいに言っていて対戦チームのファンが頭にくるとかなんとか言われてるらしいがあれが素らしい。
俺はライトに向かう。
野球を詳しく分からない方に対して説明しておく。
ライトは、1塁ベースと2塁ベースの間に守るセカンドとファーストの中間におりかなり後ろで守るポジションである。
紅組の先発は涌井投手。
最多勝などを獲得したことがあるロッテのエースだ。
元は西武で活躍していたが2014年からロッテに加入した。
1回の裏は3人とも内野ゴロでファーストへのカバーをして終わった。
2回の表は2アウト1塁で初打席が回ってきた。
ファンの皆様からは盛大な拍手を頂いた。声援に応えなければと思い打席に入る。
さぁ一球目 石川投手が投げた!俺はすかさず思いっきり振るが
「ブンッ!」との音と「パンッ!」とのミットの音。空振りだ。
気を変えて次の投球。
第2球を投げた!
「アウトローか」と素早く囁きフルスイング。次の瞬間!
「カンッ!」とバットの音。打球はライトスタンドへ一直線!
完璧なホームランだ!
「「「おぉーーーーーーーー」」」とファンの声。
井口監督は拍手。
プロ初打席でホームランだ。(キャンプの紅白戦だが)
この後の3打席目は誠司からシングルヒットを打った。
最初にしては十分だ。
キャンプ1日目が終わり宿舎へ向かった。
時間は10:27 一本の着信が入った。香織からだ。
「もしもし、どうした?」
「1日目お疲れ様」
「そっちこそ大変じゃ無かったか?」
「特に何もなかったよ。けど...」
「どうかした?」
「雅博さんに会えなくて寂しい」
「ふふっ、俺もだよ」
「笑わないでよ!」
「すまんすまん。けど嬉しくて」
「明日も頑張ってね!それとナイスバッティング!」
「香織こそ頑張れよ!帰ったらまた抱いてやるから」
「もぉ〜私そんなにエッチじゃないもん」
「じゃあ抱かない」
「それもヤダっ!」
「どっちなんだよ」
「もぉ知らない」と電話が切れた。
早く、香織とシたい。香織を犯したい。と思い1人トイレで自分を慰めていた。
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