勝利への道

山本霄蔵

第1話 ドラフト

10月15日今日は運命の日だ。


ここ長谷田高校には多くの記者が集まってる。目当ては野球部。

今年は春夏連覇。ドラフト有力選手は5人。

1人目はここのエース 成宮誠司 技能派左腕

2人目はここの司令塔 一条怜 強肩捕手

3人目はここの主砲 金澤敦史 強肩強打の三塁手

4人目はここのリードオフマン 福本稔 俊足外野手

5人目は俺。メディアでは完全無欠のクローザー 山本雅博 甲子園での先発3試合全て完全試合。しかし、本職は抑え。抑えでは通算防御率 0.00

なんやかんだで俺が1番の目玉らしい。


2019年プロ野球ドラフト会議を開始します。

各チームは1巡目の入札をお願いします。とアナウンスが流れた。

そろそろ運命の時だ。

ぶっちゃけ俺は子供の頃からのファンであるロッテに行きたい。

ロッテとは千葉ロッテマリーンズの略称。

(実際に存在します。著作権侵害になるかもしれない場合にはチーム名を変更します。)

ファンの応援が素晴らしく俺も休みの日はよく行っている。

しかし、チーム自体は今年5位に終わりチーム再建を目指している。

1位の明言はしていないがおそらく長距離砲を指名だろう。


ただいまから1巡目の指名を発表します。


東北楽天イーグルス 山本雅博 投手 長谷田高校

会場は拍手の嵐。

けれども指名はまだ続く


阪神タイガース 金沢敦史 内野手 長谷田高校

長谷田の主砲も指名がかかった。


そして俺が1番行きたい球団千葉ロッテ


千葉ロッテマリーンズ 山本雅博 投手 長谷田高校

よっしゃ!と思ったが顔には出さない。

会場は「おお!」と歓声が上がっている。


中日ドラゴンズ 山本雅博 投手 長谷田高校

3球団目の指名


オリックスバッファローズ 山本雅博 投手 長谷田高校

4球団目の指名


横浜DeNAベイスターズ 香月大地 内野手 上進大学

大学ナンバー1内野手だ。


北海道日本ハムファイターズ 山本雅博 投手 長谷田高校

5球団目の指名


読売ジャイアンツ 井上輝 外野手 近江重工

社会人ナンバー1 外野手だ。


福岡ソフトバンクホークス 山本雅博 投手 長谷田高校

とうとう6球団目の指名だ。


東京ヤクルトスワローズ 山本雅博 投手 長谷田高校

7球団目の指名だ。


埼玉西武ライオンズ 香月大地 内野手 上進大学

香月選手も2球団目だ。


広島東洋カープ 大貫洋平 投手 亜細亜工業

社会人ナンバー1 投手だ。


抽選となったのは俺と香月選手だ。

同級生の金澤敦史は阪神に単独指名された。


「横浜DeNAベイスターズと埼玉西武ライオンズの代表者は抽選台に登壇してください。」とのアナウンス。


DeNAベイスターズからくじを引きとうとう結果発表。


「それでは開けてください」

のアナウンスと共に各球団は祈るようにくじを開けた。

そして真っ先に西武ライオンズの代表がガッツポーズをした。


「香月大地選手は埼玉西武ライオンズが交渉権獲得しました。」

香月選手は埼玉西武ライオンズが交渉権獲得した。

そして、次は自分の番だ。


「東北楽天イーグルス、千葉ロッテマリーンズ、中日ドラゴンズ、オリックスバッファローズ、北海道日本ハムファイターズ、福岡ソフトバンクホークス、東京ヤクルトスワローズの代表者は抽選台に登壇してください。」


一体俺はどこの球団に行くのか!


各球団がくじを引き始めた。

そして運命の時。

「それでは開けてください」


運命の瞬間、なんと千葉ロッテマリーンズの監督である井口監督が右手を突き上げた。


「見事山本選手の交渉権が確定したのは千葉ロッテです。」


ここからは井口監督へ記者がインタビューする。

「井口監督、この度は山本選手との交渉権獲得おめでとうございます。」

「ありがとうございます」

「引いた時のことを教えてください。」

「そうですね。7球団競合とあって祈りながら引きました。」

「それが、見事当たりくじでした。その時はどのような気持ちでしたか?」

「心から嬉しかったです。彼はうちのチーム、野球界を引っ張ってもらいたいです。」

「それでは、最後に山本選手に第一声をかけてあげてください。」

「山本選手。マリーンズにはあなたが必要です。一緒にプレーしましょう」

「見事交渉権獲得したマリーンズ井口監督でした。」


念願のロッテに入れた。心から嬉しい。


しかし、まだ3人が決まってないので油断できない。

たとえ嬉しくても、指名漏れがあったら素直に喜べない。


「それでは2巡目の選手を選んでください」とアナウンスがありそれぞれ進んでいく。

その瞬間!

「千葉ロッテマリーンズ 成宮誠司 投手 長谷田高校」

まさかロッテの1位と2位が高校生とは思わなかった。

けど、また同じチームになれて嬉しい。

誠司とは中学からの付き合いで親友の1人だ。


3巡目の指名に入った。

「オリックスバッファローズ 福本稔 外野手 長谷田高校」

稔はオリックスだ。

稔のおじさんが日本の盗塁王 福本豊さんということがあり近鉄だったオリックスが獲った。


残るは一条のみ。

一条は普段とても明るい奴で人気者だが今は少し緊張している。

一条は俺と誠司が信用している捕手でランナーを出して盗塁されてもいつも刺してくれる。

彼並みの肩の持ち主は早々にいないだろう。


時は過ぎて行き5巡目の指名に入った。

次の瞬間!

「千葉ロッテマリーンズ 一条怜 捕手 長谷田高校」


信じられない。1つのチームが同じチームの選手を3人獲るなんて。

ましてはロッテ。

田村選手、吉田選手、江村選手、柿沼選手がいるにも関わらずに一条を獲った。


時は過ぎ、ドラフト会議が終わった。


さて今から、記者会見だ。

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