敵意なく、悪意なく、殺意とは無縁の娯楽――究極の

 現代の人物と、その現代に異世界から召喚された人物とが組み、中継される戦い…と聞けば、ディストピアしかイメージできず、また違うならば、緊張感のないごっこ遊びに終始してしまうと思ったのですが、完全に覆されます。

 互いに敵意なく、悪意もなく、殺意となればいよいよ皆無。

 しかし全力を出し、相手を叩き潰す迫力を両立した本作は、成る程、中継もされるという設定を活かした「真剣勝負こそ最良なコンテンツ」というイメージを植え付けられます。

 惨劇も少なからずありますが、それよりも序盤から中盤、その章の最後に1行だけ戦況が入れられている事による「次へ進め」と気がせく感覚に面白みを感じました。

 私が兎に角、いいたい事は、大好きだった特撮ヒーローのBDを買ってきたら一気見するように、この物語、一気読みしてしまうという事です。