スタートライン

二十六歳の社会人、倉敷霞。
彼女は生きてきて一度も強い衝動を抱いたことのない人間だった。

そんな彼女の世界は空虚で灰色。
しかし、ある日、彼女の世界を一変させる存在が現れる。

それは一人の少女であった。
誰よりも何よりも美しい少女であった。
少女はその名を、巴由香里といった。

霞は自分と彼女を比較し、年齢や立場等で考えて、釣り合うはずがないと思いつつも、彼女に惹かれていく。

理性は霞の初めて衝動を抑えようとし、衝動は理性を食い破って現出しようとする。
霞と由香里の関係は、果たしてどのような結末を迎えるだろうか。

願望を持てなかったアラサー社会人女性と、そんな彼女に初めての願望を与えた美しい少女が織り成す、感情と衝動の物語。