第7公 オネエ、化粧室にて

 俺たちは急遽、IKKOまでも我が家に迎え入れ、4人家族となった。二人の人間と二匹のモフモフ…いや、二匹の有名オネエ系タレントとも言うべきだろうか?


 中々にカオスな新生活がスタートした。


 ハムスターのお目覚めの時間は大体20時頃である。人間様が食事を済ませた頃、ちょうど彼ら(彼女ら)は、寝床からその姿を現わす。


 驚いたことに、ハムスターはトイレを覚える。


 まず、最初に奴らが起床後に向かうのは、決まってトイレなのだ。可愛らしい小さな尻尾を少しばかり上に上げ、僅かに目を細めながら用を足す。


 ちなみにだが、小の方だ。


『ちょっとぉ!アンタ達何見てんのよ!』


『まぼろし〜』


 俺は、嫁の春香と二人でその光景を見るのが、毎日の日課となっている。


「マツコの毛づくろい、豪快で可愛いね!」


 ハムスターは、トイレを済ませた後、10分程毛づくろいをし、全身のケガレを拭い去る。


 既に体型がデラックスになりつつあるマツコは、毛づくろいをすると頰のお肉が引っ張られ、目元がブサイクになる。お腹のお肉も、口や小さい手を器用に使い、ムニムニしながら綺麗にしていく。


 一方、まだマツコより一回り幼いIKKOは、毛づくろいもちょっぴり下手くそで、たまに転ぶ。それがまた可愛いのだが。


 それにしても、ハムスターの毛づくろいは、驚く程に丁寧だ。嫁も最近、このモフモフ達を見習ってかどうかは知らないが、化粧にかける時間が増えた。


 俺から言わせれば、身だしなみに関してオネエに勝てる訳ないのだが。


 あれ、そう言えば、なぜ俺は最近コイツらモフモフ達をオネエと決めつけているのだろうか?


 IKKOに至っては性別も未だわかっていないのに。

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