第6公 IKKO現る
休日、嫁に連れられて、マツコを迎え入れたペットショップへとやって来た。どうやら、何かを企んでいるようだ。
嫁が一直線に向かう先は、キンクマ売り場だった。
ケージ越しに、嫁は顔をギリギリまで近づけて、中にいるキンクマをロックオンする。どうやらこの時間のキンクマは、やはり眠たいらしく、すやすやとお眠りになられている。
マツコもそうだが、驚いたことにハムスターも歯ぎしりをする。このケージに入っているモフモフキンクマも時折、歯ぎしりをし、寝返りをうっている。
「隊長!マツコに友達が必要だとは思いませんか!?きっと一人で寂しいのでは!?」
「隊員よ!マツコは…オカマは、我々が思っている以上にメンタルが強いんだ!きっと独りでも強くマツコは生きる!」
「しかし隊長!自分は、この子もどうしても迎え入れたいと思っておりますっ!」
嫁は、目をうるうるしながらこちらを見つめてくる。お前、なんだか最近目元がマツコに似て来たぞ。
「しかし、更にもう一人加わるとなると世話も大変ではないか!」
「自分は、マツコたちの為なら命を削る覚悟でありますっ!」
こうなった嫁は、折れることを知らない。俺が折れてやるしかないだろう。
「隊員よ!そこまで言うならば許可する!このモフモフを…新たな家族として迎えることとしよう!」
こうして、まだハムスター初心者であるはずの俺ら夫婦は、二匹目となるキンクマを迎え入れることとなった。ハムスターは、多頭飼いができない。大人になれば、縄張り意識が強くなり、ケンカをしてしまうのだ。
お互いの幸せの為を考えて、新たなハムスターのケージを購入した。申し訳ないが、始めから別居していただこう。
そうだ…
また、名前を決めなければならない。
このモフモフの名前は…
お前の名前は…
IKKOだ。
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