第9公 いんふるえんざ
「うー、キツイよ〜。」
嫁が、インフルエンザになってしまった。食欲も無く、熱が高い。せめて水分は摂ってほしいものだが…。
「何か食べたい物とか…ない?買ってくるよ?」
「へ…?食べたい…物?う〜ん…じゃあ…マツコと…IKKO…!」
ヤバイぞ。熱が高すぎておかしくなったのかもしれない。モフモフ達がこのままだと食べられてしまう!
確かに最近、肉付きが二人とも益々良くなり、何かが起こった際には非常食になりそうだと考えたことはある。
しかし、今食べられるのはマズイぞ!あくまでも非常食なのだ。
『あらやだ、私食べられちゃうのね、アンタみたいな女に…!』
『どんだけ〜』
モフモフ達の悲痛な叫びが聞こえてくる。
「おい、春香!アイツらは確かに肉もあるし、ぼた餅みたいだけど、流石に食べたらいかんぞっ!冷静になるんだ!」
「へ?じゃあ…抱っこする…連れて来て…」
…と言うわけで、お二人さんを、嫁が寝ているお布団の所まで連れて来た。まず、IKKOを嫁の手の上に乗せ、何を血迷ったのか、俺はマツコを嫁のおでこの上に置いた。
「あれ…?マツコ、草の匂いがする〜、美味しそ〜!」
「だから食べようとしたらダメだって…!少なくとも女性には食べられたくないだろ!」
俺は、マツコの想いを最大限に尊重する。
「あー、マツコもIKKOも温かいよ〜。モフモフしてる。寒気が吹き飛ぶよ〜。」
モフモフなオネェ様方は、思いの外、嫁の体の上で大人しくしていらっしゃる。時折、毛繕いをしたりと、奴らは満更でもなさそうだ。しばらくの間、嫁は、モフモフをしっかり堪能したのであった。
ちなみに、その晩、モフモフ効果があったのか、嫁の熱が一気に下がり、俺にインフルエンザの症状が現れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます