私たちはまだ、夢を見ることを許されている。

 一人の女優である主人公が、キミカを探すために舞台監督から一か月の休暇を貰う。指定されたアパルトマンで、暮らし始めた主人公の周りには、才能あふれる人々が集まっていた。絵描きのかける。ギター弾きのオーナー。そして、主人公はスーパーの店員の男性に惹かれていく。女優の生活を続けていたら、きっと目に留まらなかった世界。

 そこで主人公が見つけたものとは――?
 そして、主人公は無事にキミカを舞台に連れてくることができるのか?
 
 私たちはまだ、夢を見ることを許されている。それがどれだけ尊く、恵まれていることなのかが、身にしみてわかる一作。そして何より、夢を向いて歩くことの大切さが詰まっている。夢を追う人に、是非読んでほしいと思った。
 大丈夫、一人の時間が芸術家にとって必要なものでも、私たちは繋がっている。何故なら、「吹く風は同じ」なのだから。

 カクヨムのカク人必読の作品。
 是非、ご一読ください。

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