シャツ

　お店にあるシャツ。物は言わないけど、何か思っている。私たちは、物に対してどんな気持ちを持っているのだろうか？

この作品は、普段私たちが何気なく着ている「シャツ」を主人公にした、とてもユニークな物語です。シャツが感じる世界と人間の関わりを描くことで、日常に潜む小さな奇跡や感動を見つめ直させてくれます。物語を通して、シャツが様々な人々と出会い、様々な感情を経験する様子は、読者に新しい視点を提供し、物の見方や感じ方について考えさせられることでしょう。

作者は、シャツという非人間的な存在に、深い感情や思いを吹き込むことに成功しており、その創造力は特筆すべきです。また、シャツの周囲の人々、特に店員との交流は、感動的なシーンを生み出し、読者の心を掴みます。この作品は、恋愛や冒険といった一般的な物語とは一線を画…続きを読む

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（45文字）

良い百合小説だったなぁと。そう思いました。

私の服にも、そんな感情があったのかもしれない。

まだ『シャツ』しか読んでいませんが、シンプルで有りながら感情描写が爽やかで作者の作風に惹かれます。

　シャツという衣服が主人公の珍しい小説。そのため、人間側からは描かれず、物の視点で人々が描かれている。
　シャツは人に着られるよりも、ショウ・ウィンドーのマネキンに着られ、道行く人に見られるのが好きだった。だから「この人に着てほしい」と思える人にも、出会わなかった。
　しかし、店長の在庫処分セールで、シャツの運命は思わぬ方向に向かう。
　
　さて、シャツがたどり着いた先とは？
　数奇な運命をたどった一着のシャツの物語。

　是非、ご一読ください。