回避不能な絶対予言。それにより主人公に突き付けられたのは、自分が死ぬと言う未来でした。
その絶望的な状況を何とかする為、十種と呼ばれる神の力を宿す十の宝を集めます。
このお話、とにかくキャラが魅力的です。
十種にはそれぞれ持ち主の女の子がいるのですが、数が多いにもかかわらず一人もその魅力が削がれる事はありません。各章ごとにそれぞれがクローズアップされてるのですが、主人公視点であったり、彼女から見た全く新しい物語のようでもあったり、描き方が実に多彩。まるで、それぞれが主役の物語を見ているようでもあります。
それに登場人物の掛け合いが非常にコミカルで、時々ジャンルがホラーであることを忘れてしまうかのよう。ですが怖い場面はしっかりと怖いです。ネタバレになるのでハッキリどことは言えませんが、特に一部の場面では人の心の闇や苦しみを、文字と言う媒体をこれでもかと言うくらいに活かして伝えてきます。ここで読んだだけだと何のことか分からないかもしれませんが、実際に読んでみれば必ずこれだと気づくはず。
このレビューを書いている時点で連載はまだ途中ですが、必ずや満足のいくものになっているかと思います。
お前は近々死ぬ。
そう言ってきたのは、占いが絶対にあたると言われている学校の先輩。最初はそんな死の予言を信じていなかった主人公ですけど、他の占いが当たるのを次々と目の当たりにして、だんだんと無視できなくなっていって……
避けられない死の運命。だけどそんな中でも一つの希望が。先輩曰く、神の力を宿す十の宝『十種神宝』を手に入れたら良いとの事だけど。
『十種神宝』を手に入れる為、襲い掛かる様々な怪異と戦う主人公達。ジャンルはホラーですけど、異能バトルもの、ミステリーものとしての側面も持つ作品。
出てくるキャラクターがとてもコミカルで魅力的で、死の予言をされていると言うとんでもない状況にも関わらず、話の雰囲気は明るく、読んでいてワクワクしました。
牙をむく妖怪。悩み抱えた少女。様々な困難が次々と降りかかってきますけど、仲間と協力してそれを乗り越えていく様子はとても熱く、手に汗握る物語です。
神代より伝わる、『十種神宝』とそれを持つ少女。
所有者に絶大な力を与えるものの、それは神の宝。
過ぎたる力は人の身に余る代物。
そう、それは呪いとなる。
それぞれが、その力に翻弄されていく運命が待っている。
その呪いの力ゆえに。
だが、運命は一つの横糸を用意した。
死の宣告を受けた一人の少年。彼は己の運命に抗うために、進みだす。
その先に進むため。それを乗り越える為。そして少女たちを救うため。
その彼の行動に少女たちは反発もする。だが、彼は紡ぐ。導かれ、突き進む。
いつしかその事が、少女たちの運命を変えていく。
はたして最後にどのような物語りが紡がれるか。楽しみで仕方ありません。
そして、今はまだお話の途中です。
描写や文章構成など、細部にわたって工夫を見せてもくれます。そして、時にゾクッとくる感じもあわさって、いっそうミステリアスな情景が思い描けます。
苦悩と成長。そして、心の繋がりを描く物語。時にコミカルな面が死に直面している主人公を突き動かす原動力にもなっているのでしょう。
是非、この続きは皆さんの目でお楽しみください!
ひたひたと迫る死の影を背負った少年が見せる生きざまを!
第二章読了時のレビューです。
ジャンルこそホラー、冒頭で主人公が直近の未来の死を宣告されますが、
全体の作風としては、青春・謎解き・伝奇・異能力バトル要素ありの、
日常系現代ダークファンタジーという印象です。
登場人物たちのかけあいもコミカルで非常に読み進めやすいことと、
第一章と第二章では主役になる人物が変わり、一人の登場人物に対する作者様の愛着を感じるとともに、
全く違うタイプのドラマが展開されていて、ストーリーが単調にならず飽きないことから、
ここまで約9万文字一気読みしてしまいました。
それでも、まだまだ序章のようなので今後の展開に期待しています。
ジャンルがホラーだからと言って、スルーするのはもったいない!
騙されたと思って一度手に取ってみましょう。
そこには思っていた以上の楽しい物語があります。