概要
マガツヨルノビミナルモノ わしはこれを喰う為に生まれてきたんじゃ。
「ああ、極上じゃぁ……甘露じゃぁ……今夜は一段と……」
指にねっとりと絡みついた粘液をでろりと舐め上げる。にちゃにちゃと指を動かすと、細い糸が伸びて指の間を繋いだ。それを弟に見せつけるようにしてから、兄は薄ら笑いを浮かべわざとらしく舌を出し、指を一本づつ丹念にしゃぶっていくのだ。
あやかしが恍惚と貪るものは……
指にねっとりと絡みついた粘液をでろりと舐め上げる。にちゃにちゃと指を動かすと、細い糸が伸びて指の間を繋いだ。それを弟に見せつけるようにしてから、兄は薄ら笑いを浮かべわざとらしく舌を出し、指を一本づつ丹念にしゃぶっていくのだ。
あやかしが恍惚と貪るものは……
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!企画入賞レビュー「料理の仕方でこうも変わるものか」
紹介文から受ける最悪に近い第一印象と、そこから少しずつ離れていき気が付けば遥か遠い地点へと誘われてしまうギャップが見事でした。
正直いうとホラーに限らずマニアというものは多くの作品を知り過ぎてしまったが故に、生半可なシナリオでは満足の出来ない体質に「なってしまって」いるものです。つまりは冒頭を読んだだけで大体のオチが予想できてしまうストレートな作品にあまり魅力を感じなくなっているのですね。
ホラーといえども謎が解き明かされる爽快感や、工夫の凝らされたオチに酔いしれたいと思っているのです。そして出来ることなら美学や矜持のようなもの(例えそれが歪んだものであったとしても)が感じ取れると尚…続きを読む