青春の、のぼりくだり。

好きな人と一緒に帰る、というシーンは誰もが経験したりしなかったりする青春の1ページなわけですが、本作はそれを「たぬき坂」という坂道をポイントにしてのぼったりくだったりしつつ、時にはぜぇはぁ言いながら、時には颯爽と、一生懸命にペダルを漕ぐように展開していきます。

キャラクターたちはそれぞれに魅力があって、軽快な会話がとても楽しかったです。
お節介な女友達、一途なクラスメイト、人遣いの荒い姉、むっつりオタクな友人、くそゲスな先輩などなど。
わりと受け身でダサめな思考回路の主人公ですが、そうしたキャラクター達に背中を押されたり腹を殴られたり魅惑的に迫られたり小悪魔的に振り回されたり自転車で爆走させられたり、いろんなのぼりくだりを経て、やがて自分の気持ちに行き着きます。
そうしてペダルを漕ぐ彼を応援しているうちに、物語は帰り道にて結末を迎えました。

青春真っ只中の方も、あの頃の自分を思い出すわ、という方も、青春なんかうんこだわ、という方も、ぜひ彼と一緒にぜぇはぁしたのちに、坂の上からの景色を見てもらいたいと思います。

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僕たちの帰り道

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