作者さまの書かれる刑事シリーズの続編。
キャラクターが濃く、セリフだけでも個性が伝わってくるので、このお話だけでも楽しく読めます。
年齢よりも幼く見えて、感情もストレートに出てしまう鍋島さん。刑事として表に出ればTwitterがザワつくイケメン、芹沢さん。基本的に喧嘩腰の会話になりがちなこの二人ですが、ここに至るまでの過去にはそれぞれ抱えてきた思いがあり、今でもそれに縛られているのでした。
彼らは今回地道な捜査の末に事件を解決しますが、その背景で彼ら自身の問題にも直面していきます。それは彼らが刑事として仕事を続ける理由にも繋がる、重大で解決し難い問題です。彼らはそれをどう乗り越えるのか……。それぞれのパートナーとの関係も大事にしつつ、自分と向き合う彼らはかっこいいです。
刑事もの、ミステリとして楽しめる部分と、キャラクター同士の掛け合いや関係性を楽しめる部分と、両方がバランスよく保たれている長編です。ぜひ彼らの成長を一緒に見守ってほしいと思います。