概要
あと少しだけ、世界が僕に対して残酷だったら良かったのに。
五歳の八月、盆休み。
約束を破って帰ってこなかった母親に怒って、主人公は家を飛び出した。
そして田舎の森を闇雲に走った果てに、彼は一人の少女と出会う。
不気味な森の中にあって対照的に美しい彼女との交流を通して、彼は一歩ずつ成長していき、そして同時に少女に惹かれていく。
全四話。一週間で完結するペースで更新します。
約束を破って帰ってこなかった母親に怒って、主人公は家を飛び出した。
そして田舎の森を闇雲に走った果てに、彼は一人の少女と出会う。
不気味な森の中にあって対照的に美しい彼女との交流を通して、彼は一歩ずつ成長していき、そして同時に少女に惹かれていく。
全四話。一週間で完結するペースで更新します。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!存在が儚いからこそ、心に残せるものを持っている
読了後、題名について考えさせられます。
ある条件が必要で、その時だけ会える「お姉ちゃん」は、とても儚い姿をしていて、常に別れる時は掠れて消えてしまう。
そばにいてくれる訳ではなく、いつでも会える訳でもなく、「そこ」とは何かと考えました。
ここ、あそこ、そこ…距離を表す単語は複数あります。「ここ」が手元、「あそこ」が遠方というのが一般的だと思いますが、「そこ」とはどこなのでしょう? 指させるくらいの距離?
彼女がいるのは、主人公が住む街ではなく、祖父母のいる村の、更に森の中というのならば、「そこ」ではなく「あそこ」になるはず…と疑問が一つありました。
でも答えを出すのは簡…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼と少女の、真っ直ぐな物語
個人的には純文学のような緻密で繊細な作品だと思いました。
最後は涙ぐみながら読ませて頂きました。作品全体は確かにどこか切なさすら感じる幻想的な雰囲気ですが、その中に組み込まれた想いはとても激しく、重く、前へと向かって生きる美しさと力強さに胸が熱くなりました。
ストーリーの流れの作り方と心理描写の綴られ方が最高に素晴らしく、作中の時間や人物達の動きがとてもリアルに感じられます。まさに登場人物が生きて成長している作品です。
あまり言い過ぎてしまうとうっかりネタバレを口にしてしまいそうなので我慢しますが、彼女の存在に本当に感謝し、涙しました。是非読んでください。読み終えた後は熱い感嘆の息が零れます…続きを読む