概要
扉の向こうに立つものは何?
姫川かのんは城南大学に通う為に上京してきた大学一年生。
田舎の雰囲気に嫌気が差して上京してきたものの、都会の生活にもそれほど馴染めず、ぼんやりと学生生活を続けていた。
そんなある日、かのんは酔っ払った勢いでマンションの上の階に住む住人の部屋の扉を蹴りつけてしまう。
それを切っ掛けに、マンションのあちこちで奇妙なトラブルが起こり始め……?
田舎の雰囲気に嫌気が差して上京してきたものの、都会の生活にもそれほど馴染めず、ぼんやりと学生生活を続けていた。
そんなある日、かのんは酔っ払った勢いでマンションの上の階に住む住人の部屋の扉を蹴りつけてしまう。
それを切っ掛けに、マンションのあちこちで奇妙なトラブルが起こり始め……?
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!禍福の縁がより合わされて、怪談は紡がれる
物語は、深夜、アパート住まいの女子大生が近所の酒乱騒ぎに耐えかね、近所の扉へ鮮烈なキックを繰り出すことから、始まります。
扉は、叩けば内の何かが応じるもの。
ある種の義憤と悪意のこもった乱暴なノックをきっかけに、彼女の周囲では怪奇現象が起きます。あたかも彼女の悪意に報いるかのように、扉を叩く音が彼女につきまとうのです。
まさしく因果応報! というホラーの醍醐味の一つが味わえる上、オカルトに詳しい友人が彼女の力となり、佳境には事の真相が紐解かれます。
人は誰しも、心の内に悪意を抱きます。
けれども、あまりにありふれていて、何事も起きなければ、無いモノとしてしまうものです。
そして無いこと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!見てる世界は一つじゃない。立ってる世界も一つじゃない。
――では、蹴った先は、どこだ?
疲れと苛立ちから取った、ほんの少しだけ「いつも」から外れた行為。それが主人公を恐怖と非日常へいざなう。ホラーの基本なのだが、起きた事象の原因と経緯、そこに潜む因果と、「呪い」の本質が、作者独特の世界観と暗黒神話体系とで織りなされています。
例によっていあいあな神様の気配がちらっと匂うのもご愛嬌。分かる人だけ分かる感じで、ニヤリと出来ます。
タイトルの「狗神」はどこで出るのか? と思っていたら、それが分かった時の爽快感は素晴らしい。ミステリー・サスペンス的なロジカルさと、呪術の世界の理不尽さ、不条理さも同時に存在するのがこの作者お得意の業前を感じさせてくれま…続きを読む