第3話勇者転職と丘ハーピー(バハムート歴2018年9月15日)

 昨日、建築ギルドから待望の新人が加入したとの発表があった。


 その期待の新人と言いうのが、ロイフィード=エネスキー(24)、元勇者だ。


 彼は、南部に住んでいるものならば知っているかもしれないが、ピグミー山の破滅竜、モントローザ一夜事件、希少種族丘ハーピーの保護などと、その活躍には枚挙にいとまがない。


 そんな彼が、この度大工として転職したそうだ。




 早速調査員が彼にインタビューに行くと、


「自分は勇者でしたが、今は愛する妻も3人の子もいる父親です。リスクで家族を悲しませるよりも、堅実な仕事でこれからは人々の役に立っていきたい」


 と、落ち着いた笑顔で語ってくれたそうです。








裏解説


 ハーピー族は小型の亜人で、中でも丘ハーピーは、種族特性により飛べなくなった小柄のハーピーの事である。丘ハーピーを専門に研究している、魔法大学希少亜人研究のキリマンジェロ教授によると、丘ハーピーは、南部の暖かい気候と外敵の少なさから、そして元々ハーピー族はオスが生まれにくい為、オスを誘惑する胸が成長し、だんだんと飛べなくなり、飛べたオスもメスに合わせて飛ばない方向に進化したと考えられているそうだ。




 その後の飲み会では、ロリ巨乳最高と酔った勢いで叫んでいたり、周りの職員から裏でロリマンジェロと呼ばれていたので、きっとそういう目的で研究を始めたのだろう。それでも教授になれるんだから、きっと魔法大学は寛容な大学なんだろうと、我々は考察しておく。




 因みに、勇者ロイフィー、いや、勇者ロリフィード=ムネスキーの奥さんは丘ハーピーで、家は丘ハーピーの集落の中にあるそうだ。


 ロリマンジェロ教授は、勇者ロリフィードが死ぬほど嫌いらしい。

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