ゴミを捨てないで
ルファイドの町の観光名物となっている、ルファイドのダンジョンで深刻な被害が出ている。
取り立てて、珍しいアイテムやモンスターが出現するわけでゃないが、初心者向けのダンジョンの中では最も広いダンジョンとして、周辺の駆け出し冒険者や、有名クランの新人の育成の場として利用されている。
洞窟型のダンジョンで、地下一階は複数のルートから侵入可能で、中も地下5階までは様々なルートが存在しており、罠も少なく、出てくる魔物も訓練さえすれば女性でも倒せる程度でしかない。
その為、地域の住民や、宿、飲食店などのゴミ捨て場としても利用されている。
ダンジョンの特性として、食料、衣服、武器等のダンジョンダンジョン外のものは、半日ほど置いておくとゆっくりとダンジョンに吸収される。
この特性はダンジョンが生きていると言う説を主張する学派の見解によると、ダンジョンが入ってきたものを消化吸収して、成長する糧にしている機能である。
動いていれば、欠けたり、無くなったりはしない。
最近そのゴミが問題となっている。
どの町でもゴミの問題は領主の悩みの種になっている。
小さな村であれば、各自が正しく処理を行えばさして大きな問題にはならないが、商業・工業を行っている町であれば、衛生環境の悪化や美観を損なうことになり、町の財政収入が大きく揺らぐことになる。
しかし、処理と言っても、
魔法で燃やすと、相応の魔術師を雇う必要があり。
火で燃やそうとすれば、燃やす木の購入や施設が必要になる。
ルファイドの町ではダンジョンを利用していたのだが、このところ、比較的安全とされていた浅い層で毒の沼や殺傷力の高い罠が増加傾向にあると言う報告が上がっている。
専門の調査隊によると、どうもゴミをダンジョンが再利用していると思われる部分が発見され、現在魔法大学のダンジョン学の専門家に詳しい調査の依頼中である。
これを受け、ルファイドの町のダンジョン管理課の要請のもと、町長がルファイドの街の住人と冒険者にゴミをダンジョンに捨てないように呼び掛けているらしい。
一部の住民たちは昔から捨てているがそんなことは一度も無かったと反発しており、今後のルファイドのダンジョンの運営に注目が集まっている。
日刊 異世界新聞 北神悠 @yu_kitagami
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