転校や図書館、年下の子に寄せる母性、そして先生と生徒の恋愛。どれも本当に一瞬で終わっていく「青春」の要素で、どこか他人事ではなく、読んでて応援したくなりました。自分も振り返ってみれば、中高校生頃の気持ちはとても繊細で、変にプライドが高かったり、何かに拘ったりしていたように思います。「どうしてあんなことで恥ずかしかったり、ドキドキしたりしたんだろう」と、年を重ねた今は思います。どれも良い思い出ですね!
そう言えば、青春とはこういう物語だったな、想い出させてくれる作品です。登場人物の描写も上手く描かれており、また、儚い情景は過去の追憶のようです。面白かったし、何よりも、このような作品と出会えて私は僥倖でした。是非、一度は見てもらいたい作品です。
【良かった点・面白かった点】・一人称での小説進行での状況描写がとても上手な小説群です。・爽やかにふわりと吹きあげるような小説群です。・物語の要所で情報を出していくタイミングが一つ一つベストだなと思います。物語の組み立てへのこだわりを感じました。【期待している点】・人物について、想像の余地を残すためなのか容姿についての描写があまりされていません。状況描写の上手な人のする人物の外見描写ガッツリのお話も読んでみたいので、そんな小説が今後登場したら良いなと思います。・物語同士は今後交差していくのか。密かに気になっているポイントです。
特別なことが起きるわけではない。毎日はなんとなくすぎていって、なんとなく楽しくて、なんとなく泣きたくなる。そんな中にひとカケラ、忘れられないような出来事がある。高校時代の、そんな宝石みたいな日常が、丁寧な筆致でやさしく紡がれてます。季節の描写が、風景の描写がとくに美しい。いろんなカケラを読めることを楽しみにしています。
登場人物の心理描写がとてもうまく、文章力に富んだ方なのだと思いました。時として行動が瞬間的すぎる場面もありましたが、一連の動作を流しながら文に表現することができると、もっと良い作品になると思います。
いつもの風景・人間関係が変わる時きっと何かが起こる。一度は感じる青春の雰囲気を存分に味わえるはず。後半はまた違った関係から見る恋愛について興味深く表現されており、儚くも考えさせられます。細かな描写があって楽しく読ませて頂きました。
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