本当に圧倒されました

七王国と呼ばれる国々が覇権を争う戦乱の時代、奴隷として生まれた少年が大切なものを奪われて世界に復讐する物語——要約するとありふれた設定になるのが本当に不思議でなりません。それ程に圧倒的でした。
読み進めていくうち、非情さと非情になり切れない優しさを併せ持つ主人公に魅了されたり、ライバルとの戦いの格好良さに胸を熱くしたり、ヒロインの愛と献身に涙したりと、忙しない感情の波に襲われることでしょう。ここまで感情を揺さぶられる小説に出会うことは、私の人生でほとんど初めてと言ってもいいくらいでした。無料で読めてしまうことが申し訳ないです。
主人公が抱く友人たちへの親愛、ヒロインたちが貫き通したエゴ、恋愛的な意味に留まらずさまざまな姿で登場する愛の深さ、大きさには本当に圧倒されます。主人公の選んだ道、そこにある愛、そして罪(カルマ)——。罪を積み上げ続けた先に何があるのか、ぜひ多くの人に見届けて欲しいと思います。

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