「まぁ、好き」

当たり前の話だけど誰かが小説を読み始めたら後に残るのは読み終えられた小説か読み終えられなかった小説かどちらかしかなくて、誰かじゃなくて自分の話をするならば前者と後者の比は1:9くらいのものなのだけれど、結果論で言えばこの小説は前者だったので☆3つです、以上、終わり、としてしまってもいいのだけど続けると、この小説は多分、もし読み始められたらそれだけで読み終えられるタイプの小説なんだと思う。固有名詞のように使われる一般名詞。やたらと振りまかれるがなにも引き起こさない殺意。凄いことが当たり前になり誰も驚かない世界。読み始めてしまえさえすれば、読み終えるまでは手を引かれながら進めば自然と終わりの地点に着く。そういうタイプの小説。何かが起こっていく小説なのではなく、何かが起こってしまっている小説、あるいは、何かが起こってしまったなあという小説。そういう小説のことはまぁ、好きだし、やりたいこととかなりたいものとかほしいものとかがよくわかってないCQという子のことも多分、まぁ、好きです。

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