手負いのヒト。遠い記憶。道は分かれ、いつしか繋がる。

もはや滅んだと言って良いだろう。
荒れ果てた地球に生きる、僅かな人々。
恐るべきは、病魔と、荒ぶる自然。それから、忌まわしい記憶。

向かう方向も、頼る風も見つからない少年ナギは、旅立ちを決める。それはなにをも救わない、無力からの逃亡。
世界と人と、自分自身の意味を問い始めたナギの目に、やがて真実が映る。

死と隣り合わせの世界で、複雑に絡み合う巡り合わせ。すべてを紐解いたとき、彼は世界の形を知る。

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