それは循環し、繋がり、愛になっていく。

これは近くて遠い未来の話。
舞台は、荒廃しごくわずかな人間しか住んでいない地球と、人々が移住し豊かに暮らしている月のコロニーのふたつ。

舞台設定こそSF要素が強い作品ですが、物語の根底にあるテーマは「巡り」や「環」であり、そして「愛」であり、人と人との繋がりを主軸にした作品だと感じました。

地球と月、それぞれ異なる環境下で、様々な登場人物が苦悩し、葛藤し、恐怖に怯え、愛を感じ、やがてまた次の誰かに愛を渡す。
そんな「巡り」がいくつも描かれています。
まるで自転と公転を繰り返す地球、そしてその周りを回る月のように、くるくる、くるくるとそれぞれが穏やかに繰り返し回る。
だけどそれはやがて循環し、繋がり、そして愛になっていく。

暗く先の見えない終末世界の中で懸命に生きる人々の希望に満ちた物語です!

ほんとうに素敵な作品です♪
おすすめ!

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