概要
サッちゃんにはバナナを一本食べる権利がある。
サブカル女子になりたくてなれなかった健康体の冴子。病弱で趣味沼を持つ姉の幸子とずっとバナナを「はんぶんこ」するのが姉孝行だと思っていた——
半分という概念をめぐるアイデンティティの物語です。
半分という概念をめぐるアイデンティティの物語です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!これぞ、webで読める純文学
洒落た各話タイトル、重いテーマを扱いながらさらりと読める口当たり、過不足のない表現。
誤字ひとつ見つからない、言葉との丁寧な関わり。
一話読んだだけで実力派の書き手さんであることがわかります。
「重い病気の姉」を描くにあたり、ウェッティな感情を出しすぎず、ほどほどに現実的なところも大変好感触でした。
恋人との軽妙なやりとりの描写や、SNSという現代的なモチーフの取り扱いが卓抜で、読者と物語との距離をうんと縮めてくれます。
伏線かな?と思われた部分が特に回収されなかったりして、でもそれが物語をリアリティーあるものにしていたりして、生身の人間たちが動いている空気感を濃く感じました。
タイト…続きを読む