許さんぞ!ヴィレ〇ァン男子!

少なくとも日本で生活する現代人は、他者との関わりなしでは生きていけないだろう。その人との関りの形も刻々と変化する。
『サッちゃん』は、人との関わりの変化に試される姉妹を描いた物語だ。互いに投影し、ときに自分の抱える負の感情に傷つき、それでも光を求めて止まない二人の姿を、丁寧に。つまりは生きていくものへの肯定の物語だと定義したい。
軽々しいお話ではない。けれでも読後には他では味わえない清々しさが待っていますよ!
和泉さんの文章には独特の空気がある。芳香である。