サイバーエデン・アポカリプス

　インターネット――電子の海に潜る技術を飛躍的に向上する『Master Graphical InterFace』。旧来のアプローチとは全く異なるそれは、どこかの汎用AIが完成させた後に爆発的な普及を見せた。技術の進んだ“現実”の都市は黒く積み重なり、既に興味関心の外でただその海を支えていた。

　人知を超えた現象、あるいは単に電子自然現象である『無罪の厄災』たちは息を潜め先を見据える。
夢想家は考え至った。ではどうにかして空中に“水滴”を浮かべられないのかと。そうすれば、

――『メッシュエーテル』。実空間に「0」と「1」とを定義する新世界は、そう名付けられた。

消滅恐怖の超越へ。暫定重要秘密事項を前に、ヒトの関心は電子の海の向こう側を手繰り寄せる。