精神力は肉体を凌駕する。その精神力の源は、優しい愛に他ならない。

 初めの方で、この作品を読まないとするならば大きな間違いである。
この物語は、ごく自然に展開を見せる。最後はもう終わりなのかとさえ思える。
初めの設定から読者側も無理なく、左程の矛盾もなく主人公に、自分を重ねながら
同じ様に旅ができる。物語には人としての大事な部分も多く描かれている。
 ただ、現実は物語とは行かない主人公のように選ばれし者ではない。
決して死後の世界が良いと思わせる描写ではないところも大切な事だ。
だから今を一生懸命に大切に生きていこうと言う風に考えさせてくれる。
この事は、物語を伝える側にとって本当に大事なことと最近は思える。
日本は、かなり古くから死を美化する傾向があるように思える。
話としては輪廻転生も死後に愛が成就するかのような文化的背景によって
悲劇的な結末でさえ、後に理想的で希望的な未来を予測する。
物語の中で死を良いものとする事は好ましいとは思えない例え空想であっても。
そう言う観点ではいい作品であると自分は思います。

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