何も残らず散る。けれど、彼らの光は誰かの心に遺り続ける。

致死性発光症。
作中の中で「消失病」という俗称も登場するのですが、この不治の病を患った人は文字通り骨も残さずに光となって消えてしまう。
そんな病が存在する“もしも”の世界のお話を、連作短編で綴られた作品です。

病を患う人、遺される人。
家族や友達のように親しい間柄だけではなく、新しい出会いや傍観者のような立場の人も登場します。

その一人一人に作者様の手によって丁寧に命が吹き込まれており、生きた人間の息づかいを感じます。最期は悲しみばかりではなく、託される想いも存在するのです。

彼らの視点に自分を重ね、「もしも私だったら」と思わずにはいられません。そして今、生きている日常をふと振り返ってしまいます。

光となって消えていくその時。わたしは、あなたは、一体何を想うのでしょうか?

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