想いの数だけ、その光はきらめくのだろう。
- ★★★ Excellent!!!
致死性発光症。その病になった者は、やがて光になって消えてしまう。後には遺体さえも残らない。
そんな病が広がった世界の連作短編です。
一つ一つの話は独立していますが、前に出てきた登場人物の名が出てきたり、再登場したりと、確かな繋がりを持った作品になっています。
光になって散る。そのことに絶望する人もいれば、希望を見る人もいる。
命の数だけの、登場人物たちの、想いが静かに響きわたってきます。
重厚な文章によってそんな世界に引き込まれ、最後はどこか暖かい光を感じとれる作品です。
消えてしまうとしたら、あなたは何を残そうとしますか?