概要
アンドロイドだって電気羊より猫の夢が見たいに決まってる
――古来より人間共の友として進化してきた種族が犬共であるならば、古来より人間共の上に君臨し人間共の王として人間共を使役してきた種族は間違いなく我々、猫である。生まれ持った「カワイさ」だけで人間の懐に潜り込み、食事と寝床を献上させ、己の我儘を押し通す……それが王の振る舞いでなくて何だというのか。そう、我々こそがこの星の真の支配者なのだ! 己を万物の霊長などと呼称し万能感に酔いしれる人間共だが、その実、我々に快適な暮らしを提供すること以外に存在価値などありはしない。我々が少しあざとい仕草を見せるだけで骨抜きになり何でも言うことを聞く様は、実に愉快である。知っているかね? 人間が我々に触れるとき発するあの特徴的な声を、彼らの言葉では「猫撫で声」と呼ぶそうだ……ククク……さて、そろそろ我が無能なる飼