いつかまた刺激的な日々 - 3
ごめんね、君と付き合うことはできないんだ。
本当に申し訳ないと思ってるよ。うん、君が一体どれほどの勇気を出して私にそれを伝えたのかは、重々承知しているつもりだ。君の緊張は、君の体温や心拍数の上昇を見れば明らかだからね。
きっと何日も悩んで、悩んで、とうとう心を決めたんだろう。私という存在にそれほどの時間を費やしてくれたことを嬉しく思うよ。
ああ、でも勘違いしないでほしいんだ。私は君のことを嫌っているわけではないし、君が魅力的でないというわけじゃない。それどころか、君はいつも私にいろいろなことを教えてくれて……君と過ごした日々は、なんというか、実に刺激的だった。その観点からすれば君はとても魅力的だし、私は君のことが大好きだ。
じゃあ、どうして付き合えないのかって?
そうだなあ……悪いけど、言えない。言ってもいいけど、ほら、また同じことを繰り返すだけだからさ。
何を言ってるのかわからないって顔をしてるね。でも君にはすでに説明してあるだろう? 君が忘れてしまっているだけさ。だから私はもう何も言わないよ。
さて、まだいろいろと訊きたいことはあるだろうけど、残念ながら時間が来た。
さよならの時間だ。
君と過ごした日々は楽しかったよ。とても刺激的だった。
どこに行くのか? それも話したよ。さっきね。
おいおい、そんな顔をするなよ。なに、今生の別れってわけじゃないんだ。寂しがる必要はない。それに、うまくいけばまた君と過ごせるようになるだろうし。
……あっ、そうだ。一つだけ言っておこう。
猫は好きかい?
うん、猫。食肉目ネコ科ネコ属の、ふわふわした毛皮を纏って、我が物顔して街を歩いているやつらだ。
好き?
よかったよかった。
それじゃ、猫を飼うといいよ。とびっきりかわいいやつを。
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