全脱……それは……キミが見た光……

 自らを鎧うものを、全部脱ぎ捨てたのなら……
 我々に残るものは、いったい何か。

 ……「裸」である―


 この物語は、主人公、引田文悟が持ち前の霊能力を駆使して、あやかしやその類の輩を成敗していく勧善懲悪なストーリーに見せかけた、深淵たる「裸道」を説く人間曼荼羅である―

 自らを背水へと追いやり、死中に活を求める崇高たる行為、「裸」……

 読了後は、あなたもきっと、素のままの自分で市中に喝を唱える逸材となること請け合いですぞ!(条例は要確認

 そして私は、幼き頃、最寄り駅にかなりの頻度で出没した、「全裸おじさん(靴と靴下だけ装備)」のことを痛烈に思い出したのだった……ごく自然な、凪いだメンタルで構内を闊歩していたあのおじさん……彼も今にして思えば「裸道」の体現者だったのかも知れない……(どうでもいい

 と、とにかく、軽妙な語り口で、ツッコミも全然追いつかない速度で話はどんどこ進むから、置いていかれないように気を付けるんだからねっ!!(凍★土

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